日本相撲協会は1日、大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて同所で行われる大相撲春場所(3月8日初日)の無観客開催を決定した。本場所の無観客開催は戦後初となった。

異例の開催で難題は山積みだ。連日、7000人の入場者を見込んでいたが既に購買済みのチケットに関しては今後、日本相撲協会のホームページに払い戻し方法などを掲出する。春場所後に開催予定の春巡業については、予定通りに開催するか延期するかを今後、検討するという。

日本相撲協会は以前、協会員が感染すれば開催なしの方針を示していた。これについて八角理事長(元横綱北勝海)は「まずは(感染者を)出さない。リスクを減らしていくのが大前提」とした上で、力士の場所入りの手段については「公共機関ではなくバス」とし「体調管理、体温検査を明日から3日間をまず平熱を計る」など具体的に示した。万が一、感染者が出た場合は「現状は中止です。やはり先生の意見を踏まえ、現状では中止」と明言した。場所の途中であっても、その方針でそれまでの成績を翌場所の番付にどう反映させるかなどについては「検討中」とし「そのためにもリスクを減らしていく」とした。2日には注意喚起のための師匠会を開く。

また会見に同席した東北医科薬科大学の感染症学特任教授で東北大学の賀来満夫名誉教授が、感染防止のハンドブックを手にし、これを全力士に配布した上で手洗いやうがいの励行を促した。