大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)の新番付が8月31日に発表され、7月場所で復活優勝を遂げた照ノ富士(28=伊勢ヶ浜)が幕尻から一気に東前頭筆頭へ上がった。

オンラインで会見に臨んだ照ノ富士は「かなり予想より上がった感じ。これぐらい上げてもということだから、その分、責任もある。頑張らないといけない」と気持ちを新たにした。

7月場所は8月2日が千秋楽だった。間が短く、場所を迎えることになるが、先場所が終わってすぐ稽古を再開したという。「安治川親方(元関脇安美錦)に今場所が終わったら、来場所は始まっていると言われている。この1、2年はそれを意識してやっている。けがしてる人にしか分からない。2日、3日と休むと逆に痛くなる。長く休まないように、すぐ次の場所を意識している」。

両膝のけがに加え、内臓疾患もあり大関から序二段まで落ちてはい上がってきた。その生活はストイックを突き詰める。優勝後も浮かれることなく、「(自分への褒美は)特にない」と話し、「筋トレをしている時が楽しい」。膝の痛みに耐えるためにも、筋力トレーニングに取り組む。生活のすべてを相撲に捧げる。

秋場所は上位陣と総当たりになる。「相手がだれでも関係ない。自分がやってきたことを信じて、ぶつけていくだけ」。目標については「まず勝ち越して、そこから2桁。さらにその上を意識していきたい」。三役復帰がかかる場所でもあるが、「戻りたい、上がりたい意識はない。毎日、集中してやる。それに結果がついてくればいい」。地獄を味わっただけに、精神面は達観している。「(優勝は)支えてくれた人に少しでも恩返しできた。次の場所も頑張らないといけない」という思いだけで、土俵に臨む。