角界一の大所帯で初めて部屋頭になった西前頭10枚目の琴恵光(28=佐渡ケ嶽)が5日、千葉・松戸市内にある部屋での稽古後、報道陣の電話取材に対応した。

5人の関取衆を含め角界最多37人の力士を抱える大所帯の佐渡ケ嶽部屋。昨年秋場所、自己最高位の西前頭7枚目に番付を上げた時は、同じ7枚目の東に兄弟子の琴奨菊がいたため部屋頭の座を逃していた。師匠や力士、裏方の名前が記された稽古場の木札の、力士の中で先頭に掲げられていることに「(15歳で入門した時、そうなるとは)思ってはいなかったけど、何事も積み重ねなのかなと(思う)」と思いを巡らせた。秋場所も「一生懸命、自分の相撲を取りきって見てもらう人に何かしら」と、感じ取ってもらう相撲を心掛ける。

先場所は幕内在位9場所目で初めての2ケタ勝利(10勝5敗)を挙げ、番付を6枚上げた。さらなる番付アップに「自分が先に動いて先手を取るということ。先に攻めるということ」をポイントに挙げた。131キロの軽量だが「押し負けすることがなくなった。(軽量のハンディは)早く自分の体勢になること」と幕内で生き抜くすべは心得ている。

宮崎・延岡市出身。最後に帰省したのは昨年11月の九州場所後。今年は、その福岡開催の11月場所が東京開催となる。地元では、琴恵光の応援歌が出来たそうで「いろいろな人に聞いてもらって、みんなが覚えてくれることで盛り上がってくれたらいい」と、地元後援会の音楽関係者が作ってくれた、応援メッセージの思いが込められた応援歌に期待した。台風10号の影響が地元でも懸念され「あさってのやつは…」と郷里に思いもはせていた。