大相撲の小兵・翠富士(24=伊勢ケ浜)が、試練の春場所(14日初日、東京・両国国技館)に挑む。

得意の肩すかしを武器に、新入幕だった初場所で9勝。技能賞を獲得し、土俵を沸かせた。春場所での活躍に期待がかかる中、「腰がヘルニアになってしまった。場所休みが終わって1週間、2週間たってぐらいですかね」と2月の稽古中にヘルニアを発症してしまったという。

負傷当初は、歩行も困難だったという。「前々から痛いなとは思っていたけど、一気に痛みがきた。調べてもらったらヘルニアとか椎間板がつぶれてたり…」と説明。稽古も思うようにできない日々が続いていたが、今週になってようやく、四股を踏めるようになったという。この日は、幕下以下の若い衆と一番だけ相撲を取り「歩いたりは全然できる。一時期は本当にヤバかったけど、今は大丈夫です。場所には間に合うだろうなという感じ。いけそうな雰囲気はありました」と前向きだった。

自信は持って土俵に上がる。初場所は得意の肩すかしだけで5勝。計9勝で三賞を獲得し「本当に自信になった。昔からテレビで見ていたり、大きい人ばっかりだったので。その中で9番勝って自信になりました」と振り返った。思うように稽古が出来ない中でも、取組の動画などを見てイメージトレーニングもしているといい「不安もあるけど勝ち越しを目標にしたい」と意気込んだ。