茨城県つくばみらい市に拠点を構える立浪部屋が、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)後に、東京都台東区にある旧常盤山部屋へ移転することが4日、分かった。2月中旬に東京都板橋区へ移転した旧常盤山部屋を改装し、新たに部屋を構える。

旧常盤山部屋は現在、3階に所有者である千賀ノ浦親方(元関脇舛田山)が住んでいる。9日に70歳の誕生日を迎え、日本相撲協会の再雇用制度が切れ退職となるが、今年10月いっぱいまでは居住。11月に予定される九州場所後に完全譲渡される。それまでは立浪親方(元小結旭豊)と力士らは1、2階に居住する。

建物の1、2階部分を改修するため、移転時期について立浪親方は「工事が間に合わないので5月場所後になると思う」と話した。移転話は昨年末あたりから進められ、今年に入って決まったという。最寄り駅の「みらい平」(つくばエクスプレス)から両国まで1時間ほどかかるが、台東区橋場に構える新しい部屋からは、車で15分ほどに短縮される。新型コロナウイルスの影響で現在は出稽古が禁止されているが、解禁されれば稽古環境も改善される。

地域密着で応援してくれた、つくばみらい市に対する恩もあり「残念がっている」と感じつつ「やっぱり力士のためを思って。出世していけばいくほど、力士のことを考えてやらないといけない」と立浪親方。3月の春場所では明生(25)が待望の三賞を初受賞し、三役も目前。元横綱朝青龍をおじに持つ豊昇龍(21)や十両天空海(30)らの、さらなる出世に思いを込めた移転となる。

移転した高砂部屋の後を受け、現在の台東区橋場に部屋を新設した千賀ノ浦親方も「ここに部屋を構えて21年になるかな。自分がここを離れる時は、その後は相撲部屋として引き継いでもらいたいと常に思っていた。一門とか縁はなくても、引き続き相撲部屋として存続してくれるのはうれしい」と話した。