優勝を逃した大関照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は、横綱白鵬との結びの一番を振り返り「見ている通り自分が弱かっただけ」と話した。

30秒超のにらみ合いから、先に両手を下ろしたのは照ノ富士だった。今場所は初日から踏み込んで左前まわしを狙っていたが、この日は白鵬の立ち合いを警戒したのか、出足は鈍かった。右からのかち上げを食らいながらも左上手をつかんだものの、まわしを切られて張り手を数発浴びた。張り返したが右四つに組まれると、自身は左上手に手が届かない。上手で振られて崩され、最後は小手投げに屈した。

取組後のリモート取材に応じ、照ノ富士は「今の自分のできることだけをやりました。出し切って負けているので、まだ(自分が)弱い」と話した。

3場所連続5度目の優勝こそ逃したものの、横綱昇進は事実上、決まった。昇進を預かる審判部が打ち出し後、八角理事長(元横綱北勝海)に昇進を審議する臨時理事会の開催を要請した。理事長は横綱審議委員会(横審)に諮問する。横審で出席委員の3分の2以上の賛成が得られれば推薦が決まり、21日の秋場所番付編成会議後に開く理事会で「第73代横綱照ノ富士」が正式に誕生する。