番付上で初めての一人横綱となった照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、初日から2連勝を飾った。先場所金星を許した東前頭筆頭の大栄翔に攻め込まれたものの、土俵際で逆転のすくい投げ。敗れた先場所と同様の展開だったが、怪力でピンチを脱した。新横綱だった先場所に続く年間4度目の優勝に向け、好発進。貴景勝も2連勝、正代が初白星を挙げて大関以上は安泰だった。

   ◇   ◇   ◇

照ノ富士は大栄翔の突き押しを全て受け止めた。先場所9日目に“横綱初黒星”を喫した相手だったが、特別な対策はなかったという。「ずっと1つのことをやってきているので、それを貫くだけ」。愚直に前傾姿勢を維持して、のど輪に対抗した。いなしで崩されて土俵際に追い込まれたものの、ねじ込んだ右で最後は豪快に裏返した。

関脇だった今年3月の春場所から5場所連続の連勝発進と、序盤の安定感は抜群。19年以来2年ぶりの九州場所。当時はまだ幕下で、大関復帰以前に関取復帰を目指していた。場所前には「こんなに順調に上がるとは思わなかった」と胸中を明かしたが「頭の中には一応、(横綱に)なりたいなという気持ちはあった」と、最高位の夢を捨てなかった。年間4度目の優勝なら14年の白鵬以来。「自分の相撲を取りきることしか考えていない」と無心を貫く。

大相撲星取表はコチラ―>