井筒親方(元関脇豊ノ島)は28日、安治川親方(元関脇安美錦)は29日、それぞれ引退相撲を東京・両国国技館で開催する。「引退相撲」と呼ぶこともあれば、「断髪式」と言われることもある。どう違うのか? Q&A方式で説明する。

-「引退相撲」と「断髪式」はどう違いますか

同じ意味で使われることが多いのですが、正確には異なります。「引退相撲」という興行の中での催し物の1つとして「断髪式」があります。

-引退相撲にはほかにどんな催し物がありますか

呼び出しによる太鼓の打ち分け、横綱の綱締め実演、禁じ手などを分かりやすく伝える初っ切り、相撲甚句、主役による最後の一番、力士の取組などがあります。中でも断髪式は、メインイベントになります。

-力士は全員、国技館で引退相撲を開催しますか

国技館の土俵で開催するには、関取(十両以上)として30場所以上の実績が必要です。ですが、この規定をクリアすれば必ず国技館で開催するわけではありません。国技館で実施する場合は、経費も準備も必要になるため、ホテルなどで開催する場合もあります。関取でない若い衆のほとんどは、千秋楽の打ち上げで断髪式を行います。

-引退相撲は日本相撲協会の興行ですか

引退した本人による主催イベントです。ですので、本人が所属する部屋などの協力を得て事務局を立ち上げ、チケットを売ります。収入の取り分は、部屋によって異なります。引退相撲で取組を行う関取衆は、ノーギャラで協力します。そのため、引退相撲を主催する人は、本場所前の力士会であいさつすることが通例となっています。

-引退相撲はいつ行われますか

国技館での引退相撲は一般的に、1月、5月、9月の東京での本場所後の土日に行われます。