「1人大関」貴景勝が意地を発揮した。単独トップに立った阿武咲との直接対決。立ち合いから気迫を込めた押し相撲で圧倒した貴景勝が押し出しで勝利した。 東前頭13枚目の琴勝峰は先場所優勝の阿炎を土俵際の突き落としで破り、3敗を守った。幕内で2桁10勝は、入幕2場所目の20年秋場所(東前頭12枚目、10勝5敗)以来2度目。優勝争いに踏みとどまった。 これで貴景勝、阿武咲、琴勝峰の3人が3敗で並び、残り2日に臨む。


優勝争い

【3敗】貴景勝、阿武咲、琴勝峰


13日目の取組の模様を写真とコメントで振り返ります。 

大相撲初場所 全取組結果


幕下

落合7戦全勝で幕下優勝 所要1場所での「史上初&最速」の十両昇進が有力

落合(左)は風賢央を突き落としで破り幕下優勝を決める(撮影・小沢裕)
落合(左)は風賢央を突き落としで破り幕下優勝を決める(撮影・小沢裕)

十両


金峰山(11勝2敗)突き落とし朝乃山(12勝1敗)

朝乃山が金峰山との1敗対決を制し単独トップ 十両優勝へ残り2番に全力尽くす

朝乃山(左)は金峰山を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
朝乃山(左)は金峰山を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
金峰山と朝乃山の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・鈴木正人)
金峰山と朝乃山の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・鈴木正人)

幕内


炎鵬(7勝6敗)突き出し水戸龍(5勝8敗)
水戸龍(後方)を突き出しで破る炎鵬(撮影・鈴木正人)
水戸龍(後方)を突き出しで破る炎鵬(撮影・鈴木正人)

(7勝6敗)寄り切り一山本(8勝5敗)

☆一山本 (勝ち越しに)4場所ぶりなんで、やっぱりうれしいですね。いつも余裕を持ちすぎて結果、8勝7敗で終わることが多い。ここからあと2番、頑張りたい。(通算200勝)あまり気にしたことないですけど、1番でも多く勝てるようにしたい。

輝(右)を張り手で攻め込む一山本(撮影・狩俣裕三)
輝(右)を張り手で攻め込む一山本(撮影・狩俣裕三)

千代翔馬(5勝8敗)上手投げ東龍(9勝4敗)

☆東龍 よく我慢して受け止めたと思います。あまりイラッとしないように。冷静に対応しました。(ここまで)まあ、いいんじゃないですか。必死にやっているだけなんで。

千代翔馬(左)の攻めを耐える東龍(撮影・鈴木正人)
千代翔馬(左)の攻めを耐える東龍(撮影・鈴木正人)
千代翔馬(左)を上手投げで破る東龍(撮影・鈴木正人)
千代翔馬(左)を上手投げで破る東龍(撮影・鈴木正人)

碧山(8勝5敗)押し倒し遠藤(8勝5敗)

☆碧山 一気に前に出て、うまくいけて良かった。前に出る気持ちが強くて、こらえられて良かった。うれしいですね。やっと今場所に良い勝ち方で勝ち越せた。落ち着いて自分の相撲を取りたい。

遠藤(左)を押し倒しで破る碧山(撮影・狩俣裕三)
遠藤(左)を押し倒しで破る碧山(撮影・狩俣裕三)
碧山に押し倒しで破れる遠藤(撮影・狩俣裕三)
碧山に押し倒しで破れる遠藤(撮影・狩俣裕三)

隆の勝(6勝7敗)寄り切り千代丸(3勝10敗)

☆隆の勝 きょうは足が動いた。大事なところもしっかり体が動いたので、良かった。自分の相撲を取り切れれば大丈夫。自信を持っていきたい。.

★千代丸 立ち合いから見られたというか、受けられて自分が引いたところを出られてしまった。相手がもっと攻めてくると思って距離を考えていたが、落ち着いてとられた。2桁負けちゃったけど、来場所に向けて星を逆転できるよう頑張りたい。

千代丸(右)を攻める隆の勝(撮影・鈴木正人)
千代丸(右)を攻める隆の勝(撮影・鈴木正人)

琴恵光(7勝6敗)寄り倒し宇良(6勝7敗)

☆琴恵光 しっかり自分の持ち味を先に出せるように、明日とあさってしっかり出したい。

琴恵光(左)に寄り倒しで敗れる宇良(撮影・鈴木正人)
琴恵光(左)に寄り倒しで敗れる宇良(撮影・鈴木正人)
宇良(右)を寄り倒しで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)
宇良(右)を寄り倒しで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)

剣翔(6勝7敗)はたき込み妙義龍(4勝9敗)

☆剣翔 まだ6勝7敗。最後に2番に勝って、勝ち越したい。勝たないと心底から切り替えられない。6連敗で止まって良かった。7連敗なら負け越していますから。

妙義龍(手前)をはたき込みで破る剣翔(撮影・鈴木正人)
妙義龍(手前)をはたき込みで破る剣翔(撮影・鈴木正人)

宝富士(7勝6敗)すくい投げ錦木(8勝5敗)

☆錦木 寄り切ることはできなかったが、体は動いて突き落としとかも耐えられたので悪くはないかなと思う。(2場所連続の勝ち越し)そこはあまり意識していなかったが、今年最初の場所で勝ち越しはうれしい。(要因は)分からないですね。しっかり稽古してきたことをやるだけです。

すくい投げで宝富士(右)を破る錦木(撮影・狩俣裕三)
すくい投げで宝富士(右)を破る錦木(撮影・狩俣裕三)

王鵬(2勝11敗)はたき込み佐田の海(4勝9敗)
佐田の海(右)を攻める王鵬(撮影・鈴木正人)
佐田の海(右)を攻める王鵬(撮影・鈴木正人)

阿炎(7勝6敗)突き落とし琴勝峰(10勝3敗)

☆琴勝峰 落ち着いていました。先手とろうと思ってもろ手でいきました。本当は組み止めたがったが、そこは流れなんで。上半身が急ぐことなく、余計な力が抜けている。自分で意識して肩の力を抜いている。残りも一番一番集中したい。(2桁)前は覚えてないがうれしいは変わらない。(優勝争い)先頭じゃないんで意識していない。1日一番でやっていきたい。

阿炎(左)を攻める琴勝峰(撮影・鈴木正人)
阿炎(左)を攻める琴勝峰(撮影・鈴木正人)
阿炎(右)を突き落としで破る琴勝峰(撮影・鈴木正人)
阿炎(右)を突き落としで破る琴勝峰(撮影・鈴木正人)

平戸海(7勝6敗)突き出し大栄翔(9勝4敗)

☆大栄翔 終始攻めることができたし、しっかり最後まで攻めきれたことがよかった。しっかり手数を出してやれた。自分の相撲ができてよかった。あと2日なので、明日、しっかりと集中したい。2ケタ(白星)を目指してやりたい。最後までやりきりたい。

平戸海(右)を突き出しで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)
平戸海(右)を突き出しで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)

翔猿(6勝7敗)下手投げ御嶽海(5勝8敗)

☆翔猿 前に攻めれたので良かったです。(立ち合いについて)全然予想してなかった。良い感じで体は動いてるので、残り2日頑張ります。

御嶽海(左)を下手投げで破る翔猿(撮影・鈴木正人)
御嶽海(左)を下手投げで破る翔猿(撮影・鈴木正人)

北勝富士(7勝6敗)寄り切り若元春(7勝6敗)

★北勝富士 立ち合いが雑になった。もっとはじきたかった。最初から相手の左四つになってしまった。そういった集中力の甘さ。はやく立ちたい気持ちがあったので、そういう部分でも雑になってしまった。しょうがないですね。泣いても、笑ってもあと2日間。自分らしい相撲を取り続けられるようにやっていきたい。

☆若元春 左が立ち合いからのぞけたので、そういうところで、土俵際でしっかりと残せたのかなと思う。でも、まわしを引けていないので反省するところは、いろいろとありますが、悪くない相撲だったかなと思う。(立ち合いで合わなかったが)あれは自分が合わせられなかった。申し訳ないなと思います。でも、勝負の世界なので。(勝ち越しまであと1勝だが)勝ち星自体はあまり考えていないですけど、ここから、あと少しなので1つ1つ集中して、積み上げていきたい。(残り2番は)自分の相撲をしっかりと取り切りたいなと思います。

寄り切りで北勝富士(右)を破る若元春(撮影・狩俣裕三)
寄り切りで北勝富士(右)を破る若元春(撮影・狩俣裕三)

明生(4勝9敗)すくい投げ錦富士(4勝9敗)

☆錦富士 あまり覚えていないですけど、今場所で1番、自然と体が動いた。よかった。(5連敗だったが)長かったです。毎日負けていましたけど、ちゃんと準備して臨んでいたので、こうやって1つでも多く勝つチャンスができたのかなと思う。(地元応援団の声援は)いつもよりも声援を多くもらえているなと、土俵入りの時に感じていた。帰ってきてアナウンサーの方や付け人に「すごかったですね」と言われ、やっぱり来てくれていたんだなと思いました。(いい姿を見せられたか、の問いに)よかった。(化粧まわしは地元から贈られたものか、の問いに)そうですね。地元の方々が協力してつくってくれたもの。(今場所から)はい。(化粧まわしのキャラクターは)十和田はにんにく、長いも、ネギ、ごぼうが日本一ということで、中でも1番有名なにんにく「にんにん」というキャラクター。自分が着けることによって、ちょっとでもPRにつながればという思いで、いろんな方に尽力いただいて、つくっていただいたものです。(にんにくは)好きです。ここまで来たら一番一番だと思うので、最後まで気を抜かずに、いい形で終わらせたい。

明生(左)をすくい投げで破る錦富士(撮影・鈴木正人)
明生(左)をすくい投げで破る錦富士(撮影・鈴木正人)

玉鷲(8勝5敗)はたき込み琴ノ若(6勝7敗)
玉鷲(左)をはたき込みで破る琴ノ若(撮影・鈴木正人)
玉鷲(左)をはたき込みで破る琴ノ若(撮影・鈴木正人)

霧馬山(9勝4敗)寄り倒し翠富士(6勝7敗)

☆霧馬山 最初から突っ張っていこうと思っていきましたが、流れで頭をつく形になりました。1日一番しっかりいっているので、良かったと思います。

翠富士(右)を寄り倒しで破る霧馬山(撮影・狩俣裕三)
翠富士(右)を寄り倒しで破る霧馬山(撮影・狩俣裕三)

若隆景(7勝6敗)すくい投げ豊昇龍(7勝6敗)

☆若隆景 下から攻めようと思っていましたので、良かったと思います。一生懸命に自分の相撲を取ろうとだけ思いました。

すくい投げで豊昇龍(右)を破る若隆景(撮影・狩俣裕三)
すくい投げで豊昇龍(右)を破る若隆景(撮影・狩俣裕三)
豊昇龍(手前)をすくい投げで破った若隆景(撮影・鈴木正人)
豊昇龍(手前)をすくい投げで破った若隆景(撮影・鈴木正人)

竜電(8勝5敗)寄り切り正代(6勝7敗)
正代(右)を寄り切りで破る竜電(撮影・鈴木正人)
正代(右)を寄り切りで破る竜電(撮影・鈴木正人)

阿武咲(10勝3敗)押し出し貴景勝(10勝3敗)

★阿武咲 冷静にいこうと思ったけど、張られた時にムキになった。(プレッシャーは)特にないです。一番、一番全力でやっているだけなので、自分が弱かっただけです。(土俵下に落ちたときは)シンプルに悔しかったです。切り替えて、また一生懸命にやるだけです。

阿武咲(右)の攻めを耐える貴景勝(撮影・鈴木正人)
阿武咲(右)の攻めを耐える貴景勝(撮影・鈴木正人)
貴景勝(右)は押し出しで阿武咲を破る(撮影・小沢裕)
貴景勝(右)は押し出しで阿武咲を破る(撮影・小沢裕)
阿武咲を押し出しで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)
阿武咲を押し出しで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)
貴景勝に押し出しで敗れ土俵を引き揚げる阿武咲(撮影・鈴木正人)
貴景勝に押し出しで敗れ土俵を引き揚げる阿武咲(撮影・鈴木正人)

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