大相撲の二所ノ関部屋入りした中村泰輝(22=日体大)が6日、母校・海洋高で会見した。師匠の二所ノ関親方(36=元横綱稀勢の里)が同席した。21、22年にアマチュア横綱になった大器。しこ名も「大の里」(おおのさと)と発表された。初土俵は5月の夏場所(14日初日、東京・両国国技館)の予定。幕下10枚目格付け出しでデビューする。

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193センチ、175キロのド迫力。中村の全身は周囲を圧倒した。188センチの師匠・二所ノ関親方でさえ存在がかすんでしまうほどの恵まれた身体だ。しこ名は「大の里」に決まった。二所ノ関親方が「私が出世したときに案に上がった」という縁のあるしこ名だ。元大関の大きなしこ名を引き継ぎ、角界にデビューする。「具体的な目標は言うものではなく、心の中に決めておくもの。言える範囲のことは、1日でも早く関取になって恩返しをしたいということ」。しこ名、身体と同様に秘めている目標はきっとスケールが大きい。

21、22年のアマチュア横綱。複数の部屋から勧誘はあったが「いつも『ここだ』と思うところで相撲をやってきた」と言う中村は、二所ノ関部屋の相撲環境にほれ込んで入門した。部屋の所在地は茨城県阿見町。「何の誘惑もなく、相撲に集中できる。娯楽もない。新潟も何もない(ところだった)。1日でも早く関取になるために、いろいろな誘惑を消すのが一番」。中村は、脇目を振らずに大きな全身を相撲のためだけに使う。

突き押しの馬力が真骨頂の中村を二所ノ関親方は、まずはじっくり鍛える方針だ。「体を大相撲仕様にする」と言う。15日間、6場所を年間で闘える身体作り。「頑丈にしないと壊れてしまう」と師匠は言う。「スピード出世より、じっくり鍛えて上位で長く活躍できる力士に育てたい」。大の里というしこ名を輝かせるための奮闘が始める。【涌井幹雄】

◆中村泰輝(なかむら・だいき)2000年(平12)6月7日生まれ、石川県津幡町出身。相撲は小1で津幡相撲教室で始め、新潟の能生中、海洋高に進み、新潟在住は6年。高1のインターハイ個人戦で2位。3年の高校選抜十和田大会で個人戦優勝。日体大では1年で学生横綱。3、4年時には連続でアマチュア横綱に輝く。193センチ、175キロ。血液型B。