昨年11月の大相撲九州場所限りで現役を引退した元前頭豊山の小柳亮太氏(29)の断髪式が25日、東京・両国国技館で開かれた。

名古屋場所(7月9日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付発表を翌日に控える中で関脇の大栄翔や同じ部屋の正代ら関取衆も駆けつけ、総勢約430人がはさみを入れた。両親がはさみを入れる際には涙ぐむ場面もあった。最後は師匠の時津風親方(元前頭土佐豊)が止めばさみを入れて、まげ姿に別れを告げた。

小柳氏は「(現役時代の)7年間応援していただいた感謝の気持ちを持って土俵に上がりました」。三段目最下位格(100枚目)付け出しの資格を得て16年春場所で初土俵を踏み、同年九州場所で新十両、翌17年夏場所で新入幕とスピード出世。18年名古屋場所では12勝3敗で敢闘賞を獲得したが、その後は両肘のけがに苦しんだ。西十両4枚目として臨んだ昨年の九州場所は5勝10敗で終えて引退を決断した。

協会には残らず、現在は都内で相撲のパーソナルトレーナーとして活動。引退時は180キロあった体重だが「揚げ物、ビール、〆のラーメンを控えました」と、半年間で130キロまで減量。来年3月の東京マラソンで完走するべく、自宅近所を走るなどしてさらに体重を落とし、90キロ台にする考えだ。

現役時代と変わらず自分が立てた目標に向けて、地道な準備を怠らない。「マラソンが終わったら、次は来年中に土俵があるジムを都内に作りたい。相撲を身近に感じてもらえるように四股とか教えられれば」と将来を思い描いた。【平山連】