大相撲で西前頭6枚目の王鵬(23=大嶽)が、アマチュア時代からデビュー当時のライバルで、大関に昇進した同学年、同期の豊昇龍(24=立浪)について語った。2日、東京・立川市の夏巡業に参加。朝稽古の申し合いでは、計9番で6勝3敗。いきなり竜電、湘南乃海、琴勝峰を相手に3連勝し、その後も宇良を押し出すなど、精力的に稽古した。稽古後、取材に応じ、ライバルとしてしのぎを削った豊昇龍について語った。また、元横綱朝青龍を叔父に持つ豊昇龍に対し、王鵬は「昭和の大横綱」大鵬を祖父に持つが、その存在の大きさについても語った。以下は主な一問一答。

-豊昇龍が大関に昇進したことについて感想を

王鵬(以下、王) ずっと上位にいるし、何場所か前から、いつ上がってもおかしくない力はあったと思います。稽古してきた結果が出たのだと思います。

-アマチュア時代もそうだが、プロとなった当初、前相撲の初土俵からライバルだった。「悔しい」という感情などは

王 「悔しい」とか、そういう気持ちはあるのかもしれないけど、それ以上に努力の成果と気持ちの強さでつかんだ大関だと思います。しかも大関とりのチャンスを1発でつかんだ。あの気持ちの強さ、勝負強さは、本当にすごいと思います。

-いつか追いつき、追い越したい気持ちは

王 今はまだ、対戦することもできない。名古屋場所が自己最高位で、上位との対戦があるかもしれないと思っていましたけど、成績が伴わなかったので(6勝9敗)、三役と当たることもできませんでした。早く、当たるところまで行きたいですね。

-それは本心か

王 本当です(笑い)。

-5月の夏場所は11勝した

王 一生懸命やっただけです。勝っていくたびに、乗っていった部分もあったかもしれませんけど。でも、自信がついた、とかではないです。

-最近は四つ相撲でも力がついてきたように見えるが

王 全然です。以前は四つ相撲の人に、押し込まれて、攻められたら「終わり」みたいな感じでした。それが、少しはマシになったかもしれませんが、四つ相撲の人と組みたくはない。やっぱり押し切りたいです。

-豊昇龍関が「朝青龍のおい」と言われるように、どうしても「大鵬の孫」と言われる。あらためて、大鵬さんとの思い出を

王 小学4年生の時ですね。両国国技館でやった、わんぱく相撲の全国大会を見に来てくれたのが、すごいうれしかったですね。自分の相撲を見てくれたのは、後にも先にも、あの1回だけですね。

-結果は

王 2位でした(苦笑)。優勝すると、翌年の大会で土俵入りができるんですよ。子どもながらに、土俵入りを、おじいちゃんに見せたいと思っていましたね。

-東京場所では仏壇に手を合わせている

王 そうですね。東京の場所中、初日と中日(8日目)。あと千秋楽は忙しいので、だいたい14日目。

-仏壇の前で何を思っている

王 自分の場合、報告かあいさつですね。新年なら「あけましておめでとうございます」とか、普段なら「行ってきます」とか。

-それだけ

王 そう。それだけ。だから、兄弟とかで一緒に手を合わせていると、いつも自分だけ、すぐに終わっちゃうんですよ(笑い)。