腰痛により7月の大相撲名古屋場所を途中休場した横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が8日、10日初日を迎える秋場所(東京・両国国技館)を休場することが決まった。報道陣の電話取材に応じた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は腰の状況が思わしくないことを休場の要因に挙げた。「膝や筋肉はすごく調子が良い。腰だけが悪く、1カ月ぐらい治療には時間がかかる」と引き続き病院に通って治療をしていくとし、途中出場には否定的な考えを示した。

同親方は「2、3日前から休場の相談をして、昨日に決めた」とし、腰の状況については「前から悪く、電気が走ったようにしびれて相撲が取れない」と説明。照ノ富士の休場は先場所に続き通算18度目で、横綱昇進後は在位13場所で7度目となった。3場所ぶりの全休が確実となり、今場所も横綱不在となる。同親方は「今は相撲を取れる状態ではない。結果を出せる状態にならないといけない」と話した。

照ノ富士は5月の夏場所を14勝1敗の好成績を収め、6場所ぶり8度目の優勝を飾った。続く名古屋場所では初日に阿炎を押し出して白星発進したが、2日目に錦木、3日目に翔猿に敗れ、2日連続で金星を配給。4日目に「腰椎椎間板ヘルニアと腰椎椎体終板障害で1カ月間の安静加療を要す」との診断書と休場届を提出し、再出場することなく場所を終えた。

名古屋場所後の夏巡業には初日から参加したものの、相撲は一切取らず本格的な稽古を再開することはできていなかった。今月2日の横綱審議委員会(横審)による稽古総見後の取材でも「見ての通り、稽古はできていない」と調整の遅れを明かしていた。【平山連】