3日目の12日に、現役引退と年寄「千田川」の襲名が発表された元前頭の徳勝龍(37=木瀬)が、東京・両国国技館で引退会見に臨んだ。同席した師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)への感謝を問われた際には涙を浮かべながら思いの丈を述べた。

涙が止まらない。会見の司会を務めた西岩親方(元関脇若の里)からハンカチを差し出され、徳勝龍は目に光るものを拭った。晴れ晴れとした表情から一転したのは、師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)への思いを尋ねられた時。「30歳を過ぎてからは、『まだ老け込むのは早い』と言われていて、それが励みになって頑張ってきました」と声を震わせながら言った。隣で聞いていた木瀬親方の目からも涙がこぼれた。

木瀬親方は「あれをやれ、これをやれと言ったこともなく、後輩への面倒見がよかった」と回想。2020年初場所を制した弟子の姿などから「コツコツと努力すれば花が咲くことを教えてくれた」と話した。

◆徳勝龍誠(とくしょうりゅう・まこと)本名・青木誠。1986年(昭61)8月22日、奈良市生まれで育ちは橿原市。小4から地元の「けはや相撲クラブ」で相撲を始め、明徳義塾高-近大から木瀬部屋へ。183センチ、190キロ。得意は突き、押し。