大相撲の三役格行司の木村玉治郎(62=立浪)が日本相撲協会に退職届を出したことが29日、関係者への取材で分かった。所属する立浪部屋の立浪親方(元小結旭豊)は事実を認め「慰留はしたが、本人の意志が固かった」と説明。詳しい退職の理由は明らかにしなかった。

福島市生まれ。中学卒業後の76年2月に採用されて立浪部屋に入門し、1976年3月の春場所で木村雅之助の名で初土俵。93年初場所で十両格に昇進。03年に兄弟子の5代目玉治郎が10代目木村庄三郎を襲名したことに伴い、6代目玉治郎についた。06年春場所で幕内格、14年初場所から三役格行司に昇進した。

鋭い眼光を崩さず土俵に上がり、独特な掛け声で堂々と裁く姿は大相撲ファンを魅了した。注目の一番を裁くことも数多く、最近では7月の名古屋場所の優勝決定戦、豊昇龍-北勝富士戦を裁いたことでも知られている。