土俵入りなどで参加した横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が「腰の骨が(一部)折れている」と明かした。

今月の秋場所を「腰椎椎体終板障害、糖尿病の加療を要するため10月8日までの休場を要する見込み」との診断書を提出して全休。同場所前以来となる公の場となり、腰の状態について、スマートフォンに納められたレントゲン画像を見せながら、報道陣に説明した。「細かいことは分からない」というが、画像では骨の一部が欠けているようで「めちゃくちゃ痛い。稽古もできない状態」と話した。

10月2日には「手術というほどではないけど、治療をする」といい、その診断結果次第で、同4日から始まる秋巡業の出場可否を判断するという。秋場所千秋楽翌日の25日に行われた横綱審議委員会(横審)の定例会合で、山内昌之委員長は照ノ富士について「巡業への参加、多くの人々への接触などで責任を果たしている。評価していい」と語っていた。これについて照ノ富士は「評価していただくのはありがたい」と語った。

一方で「ただ相撲ファンとしては、それ(巡業参加)だけを望んでいるわけではない。何もない体なら、もっとやりたい。もともと、いつ辞めるか分からない状態だった。その上で、今のオレは何ができるか考えている。無駄に1日を過ごさないように。体が続く限り、気持ちが続く限りは貢献したい」と力説した。現在は2場所連続で休場中。横綱昇進後の13場所で7場所休場という現状は、ファンに申し訳ない気持ちが強くあるようだ。

10月2日に行う腰の治療の結果、快方に向かうようであれば「巡業も出て、11月場所も頑張りたい」と、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)出場に向けて前向きに話した。「ボロボロだけど、できることをやります。今のオレにできることは何かと一生懸命考えている。ただ復帰するだけじゃなく」。強い横綱として再び本場所の土俵に戻り、あと2回と迫った目標の優勝10回を目指すつもりだ。