宇良(31=木瀬)が念願の新三役をつかんだ。25日、大相撲初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の番付発表があり、西小結に昇進した。東京・両国国技館で会見に臨み、「目指していたところではなかったし、自分では(小結に)なれないと思っていた。自分でも不思議。うれしいです」と喜びを語った。

自己最高位に並んだ11月の九州場所千秋楽に勝ち越し、年初めの場所での新小結の座を手にした。「星勘定はしていなかった。勝ち越して三役、小結が決定すると言われてもよく分かってなかった」と振り返り、無心で相撲を取り続けた。「今思えばそれが良かった」としみじみと言った。

15年春場所の初土俵から順調に番付を上げ、翌16年名古屋場所には新三役をうかがう東前頭4枚目についたが、そこから相次ぐけがに泣かされた。両膝の大けがで序二段まで番付を落とし、「引退を考えたこともあった」という。地道な肉体改造や稽古で再起をかけ、つかんだ新三役。「ケガする前の自分を超えられた。あきらめることなく稽古をしてきたことがつながった。1日、1日やるべきことをやったことで、自信をもっていけた」と実感を込めた。

木瀬部屋からは14年秋場所の常幸龍以来の新小結で、大阪府出身では14年九州場所の勢以来、戦後8人目。関西学院大からは初めてで、初土俵から52場所所要は、学生相撲出身としては2位のスロー昇進(1位は日体大出身で61場所の嘉風)。また、幕内経験者が序二段に陥落後、新三役を果たしたのは史上初めてとなった。さらに31歳6カ月での新三役は、平成以降5位(1位は琴稲妻の33歳6カ月)の高年齢昇進となった。【平山連】

【初場所新番付】高安1年ぶりの三役、入幕は大量5人、碧山1場所で復帰/幕内十両昇降表