3場所連続休場中の大相撲の横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が5日、東京・明治神宮で奉納土俵入りを行った。最大震度7の能登半島地震や羽田空港での衝突事故と年明けから暗いニュースが影を落とす2024年。そんな状況を憂いながら、「土俵に戻って暗いニュースを振り払えるように相撲を取りたい。良いニュースにしていきたい」と初場所(14日初日、東京・両国国技館)への抱負を述べた。

新春の恒例行事。新年の土俵入りとしては、新型コロナウイルス禍前の20年1月以来4年ぶりに一般公開された。約2500人の観衆を前に力強い不知火型の土俵入りを見せた照ノ富士は「新しい年が始まったかんじがある」と気持ちを新たにしていた。

照ノ富士を巡っては、昨年11月の九州場所終了後の横綱審議委員会(横審)定例会合後、山内昌之委員長が、各委員の総意として「ぜひ出てほしい」と、初場所の出場を求めていた。照ノ富士は優勝した5月の夏場所以外、昨年は6場所中5場所を休場。両膝の古傷に加え、九州場所は腰の骨の一部が折れているなどとして休場していた。

長期休場の要因となった腰も快方に向かっているという。10日を切った本場所に向けて今後は出稽古も取り入れたいと意欲を見せ、復活を期す2024年については「今年こそはという思いがある」と意気込んだ。【平山連】