大相撲の前頭北勝富士(31=八角)が17日、都内のホテルで真美(まなみ)夫人(35)と挙式、披露宴を行った。

2人は20年1月6日に婚姻届を提出。当初は同年6月に披露宴を行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、力士らの外出にも制限が出たため延期となっていた。4年後、晴れの日を迎えただけに、北勝富士は「大勢の人を呼んで、安全に開くことができるまでに4年もかかるとは思わなかった。(一時は)無理かと思ったけど、開催できてよかった」と、笑顔を見せつつ、感慨深い様子で話した。披露宴には師匠の八角親方(元横綱北勝海)ら約600人が出席した。

この間、21年3月には長男も誕生した。「プラスにとらえれば、コロナで巡業も地方場所もなかった時期で、育児が大変な時期に(夫人と)一緒にいられたのはよかった。笑顔が絶えない家庭を築きたい」。長男とは生後間もなくから一緒に風呂に入るなど“イクメン”パパとなった。

挙式後、報道陣に取材に応じた北勝富士は、白無垢(むく)の真美夫人の姿に「ドキドキしました。美しかったです」と、目じりを下げた。勝負の世界に生きているため、どうしても本場所中の勝敗によって、感情の浮き沈みは出てくる。だからこそ夫人の「相撲の話題にあえて触れない。浮き沈みがなく、常に冷静に対応してくれる」と感謝する。「料理もおいしい。いいおかみになるんじゃないですか」と、うれしそうに笑って話した。

西前頭3枚目だった1月の初場所は、右膝を痛めて9日目から休場し、4勝5敗6休に終わった。次の春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)は、幕内中位に番付を下げる見通し。それだけに「頑張らないといけない。けがを治して元気な姿を見せたい。ただ手術だったら、この式も順延になっていた。恵まれている。この運を3月場所に生かせたら」と、力を込めて話した。

昨年7月の名古屋場所では、幕内での自己最多を更新する12勝を挙げ、優勝決定戦に進んだ。だが豊昇龍に敗れて初優勝を逃した。「1度は優勝してみたい。小さいころからの夢をかなえられるように、もう少し頑張りたい」。夫人と長男のためにも初優勝を目指し続けるつもりだ。【高田文太】