先場所優勝の横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、春場所7日目から休場することが決まった。途中休場は昨年名古屋場所以来で、通算20度目。横綱昇進後は在位16場所で9度目の休場となった。7日目の対戦相手だった翔猿は不戦勝となった。

師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)によると、慢性的に痛めている腰の状態が思わしくないという。「悪いから稽古が足りない。力も出ない。先場所より良くない。全然やれないから」と明かした。

手術については「できない。やったら逆に相撲が取れない。治す時間がない」と否定した上で、5月夏場所での復帰を目指して治療を続けていくと説明した。

3場所休場明けだった先場所は、琴ノ若との決定戦を制して13勝2敗で4場所ぶり9度目の優勝を果たした。優勝回数では部屋の兄弟子だった元横綱日馬富士に並んだが「そこじゃない」とピシャリ。常々目標に掲げている2桁優勝を目指して迎えた場所だったが、小結錦木に敗れ、まさかの黒星発進となった。

2日目(宇良)3日目(朝乃山)こそ連勝して立ち直ったかに見えたが、4日目に明生、5日目に王鵬、そして6日目に隆の勝に続けて金星配給。横綱が平幕相手に3日連続で敗れる異常事態は、19年秋場所で朝乃山、大栄翔、友風に敗れた鶴竜以来の不名誉な記録だった。圧力が相手にうまく伝わらず、相撲自体も精彩を欠く内容が目立っていた。