幕下は西13枚目の風賢央(24=押尾川)が、阿武剋(おうのかつ)を左四つから寄り切り、7戦全勝で優勝した。幕下15枚目内の優勝で、内規により来場所の新十両昇進を確実にした。

愛媛県出身では08年秋場所で引退した元関脇玉春日(現・片男波親方)以来、約16年ぶりの関取となる。「(愛媛県)西予市のみなさんには、乙亥などで激励をもらってきた。地元の人に支えてもらったんで、恩返ししたかった」。

ただ、この日の相撲には「内容はダメだったが、勝ててよかった。今日の相撲内容じゃ全然ダメ。一からやり直しですね」と喜びよりも反省が口をついた。その裏には、ハイレベルの同世代の存在がある。

象徴的なのが今場所、新入幕で大活躍の尊富士。「感じるものしか、刺激しかないですね。王鵬関も金星をとったり、同年代の活躍を聞くたびに自分は何やってんだと。もどかしい思いしかなかった」。

十両も通過点にしたい。尊富士らと同じステージへ。「なるべく早く上がって頑張っていきたい思いです」と決意を新たにした。