初場所優勝の大関豊昇龍(25=立浪)が29日の臨時理事会、番付編成会議を経て、横綱に昇進する。「豊昇龍 第74代横綱昇進へ」と題した連載の第3回は高校時代を振り返った。

「この子は絶対に大関、横綱になるから」。太鼓判を押したのは他でもない、優勝25度を誇る叔父の元朝青龍、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏だった。同氏に熱弁を振るわれたのは、豊昇龍の師匠となる立浪親方(元小結旭豊)。まな弟子が横綱昇進を事実上、決めたことを受けて、しみじみと入門前のことを打ち明けた。初対面は豊昇龍が千葉・柏日体高2年時。「光って見えた」と、細身ながら大物感が漂っていた記憶は今も鮮明に残っていた。

立浪親方は45度優勝の元横綱白鵬(現宮城野親方)を弟子に迎える可能性があった。結果的に同時期に弟子に迎えたのは、最高位前頭6枚目で引退した同じモンゴル出身の猛虎浪。白鵬も当時は細身ながら父がモンゴル相撲の大横綱で、レスリングでモンゴル人初の五輪メダリスト。同親方は「血筋も大事な要素」と痛感。朝青龍譲りの運動神経や負けん気が光っていた。

柏日体高の同級生で、同じくモンゴル出身の幕下朝白龍(高砂)は「太ることができずに苦労していた」と、当時を振り返った。大量の食事を体に流し込んでも「すぐにトイレに行って吐いていた」と、土俵外でも人一倍苦労。一方で、小兵のようなスピードと技のキレを保ちながら体を大きくしたことで、速さと圧力を併せ持つ“横綱の器”へと成長した。自身も「てっぺんより、もっと上のてっぺんを目指す」と力説。大横綱への旅が今日始まる。(おわり)【高田文太】