日本相撲協会の諮問機関の横綱審議委員会(横審)は29日、東京・両国国技館で定例会合を開いた。前日28日に千秋楽を迎えた秋場所では、大の里と豊昇龍の両横綱が優勝争いを引っ張り、優勝決定戦の末に大の里が5度目の優勝を飾った。横審委員としては文句のつけようのない展開もあってか、会合は5分足らずで終了。その後会見した大島理森委員長(79)は「アッパレでありました! そのひと言です」と、声のトーンを1段階上げて称賛した。

横綱同士による優勝決定戦は、09年秋場所の朝青龍と白鵬(優勝は朝青龍)以来、16年ぶりだった。大島委員長は会見で開口一番「16年ぶりとなりました横綱決定戦(=横綱同士による優勝決定戦)。今場所はいよいよ両横綱の『大豊(たいほう)時代』が来たな! そういう思いを見せていただきました。両横綱とも、横綱としての重責をしっかりと果たした」と、抑揚をつけて語った。

先場所は琴勝峰に平幕優勝を譲った格好となった。それだけに大島委員長は「両横綱とも、まさに先場所のさまざまな思いを胸に秘めながら、それを乗り越えよう、横綱としての自覚と責任において稽古に励み、戦い抜いていこうという姿が、こういう結果になったことについて、アッパレであったと私は思います。続けてほしいと思います」と、横綱の責任を果たしたと高く評価した。

また、豊昇龍が14日目の関脇若隆景戦で、立ち合い変化で白星を挙げたことについても言及した。「横綱としての勝利への決断として、ああいう取り口になったのではないかと思いますという、ご意見が(出席した委員から)ありました。いろいろなご意見が、世にあることは承知致しておりますが、委員長としての私の思いとしては『勝つ』ということは、勝負において、大変な大事な目標の1つであるわけで。加えて優勝というものが、目前にあった時に、私はそういうふうな総合的な判断として、豊昇龍関が取られた結果でなかったのかと、このように思っております」。自身も出席した委員も、理解を示したとの見解だったが、最後は消え入りそうな声で、歯切れが悪かった。