大相撲で「史上最強の新弟子」の呼び声が高い、モンゴル出身のバトツェツェゲ・オチルサイハン(23=伊勢ケ浜)が31日、福岡・太宰府市の部屋での稽古で、右目上がパックリと切れる傷を負い、6針縫った。ウエートトレーニングで精力的に汗を流し、関取衆の申し合いに参加。前頭伯桜鵬、熱海富士を相手に計10番で6勝4敗。その10番目の相撲の立ち合いで熱海富士の頭とぶつかり、右目上から流血した。オチルサイハンはすぐに申し合いを抜け、近隣の病院に行き、早速、6針縫った。
病院から戻ったオチルサイハンは「6針縫ってきました」と言いつつ、笑顔を見せるなど大事には至っていないという。ただ前相撲で初土俵を踏む九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)までに、相撲を取る稽古ができるところまで回復するかどうかは不透明。今月25日に横浜市で行った部屋の出張稽古後に「ケガなく場所を迎えられたら」と話していたことを引き合いに「ケガしないように、って言っていたのに、ケガしちゃいましたね」と、苦笑いを浮かべた。
オチルサイハンは神奈川・旭丘高を卒業後、4年半余り、猛稽古で知られる伊勢ケ浜部屋で、みっちりと鍛える間に才能を開花させた。大相撲の規定で、外国出身力士は1部屋1人まで。伊勢ケ浜部屋所属では今年1月の初場所中に引退するまで、現師匠でモンゴル出身の横綱照ノ富士が現役を続けていた。現師匠が引退後から、外国出身力士に必要な半年間の研修期間が正式にスタート。秋場所前に新弟子検査を受検し、興行ビザの取得を待って、ようやく初土俵を踏むことになる。
すでに部屋では関取衆の申し合いに参加し、圧倒することも多く、横綱、大関クラスの実力と評価する相撲関係者も多い。自信も備わりつつあるだけに、この日のけがにも動揺した様子はなかった。25日の出張稽古の時と同じく「特に気持ちが高ぶることも、緊張することもない」と、落ち着いた口調で話していた。

