8年前に「ポスト前田敦子」と呼ばれ、いったん卒業後に前代未聞のアイドル復帰を果たしていたNMB48の城恵理子(20)が4日、大阪・NMB48劇場で、グループ史上初めてとなる2度目の卒業公演を行った。

「2回も卒業公演をするなんて、いないですよ、こんなアイドル!」

2度の引退会見を開いた歌手森昌子の「3度目はございません」にならってか、続けて「3度目はないですよ」と言い、笑わせた。

城は11年5月、NMB48に2期生として加入した。あどけない笑顔が、加入当初の元AKB48・前田敦子に似ていたことから、秋元康氏の期待も大きく、加入2カ月後の同7月、AKB48グループでのイベントで、ソロ場面を得た。

同10月には、NMB48の2枚目シングル「オーマイガー!」で、選抜入り。翌12年5月には、AKB48のシングル「真夏のSounds good!」へも、先輩の山本彩、渡辺美優紀らとともに選抜メンバーへ抜てきされた。

ところが、同9月、学業専念を理由に、電撃卒業。ただその後、活動への未練が断ちきれず、翌13年10月のグループ3周年公演で、AKB48グループでも過去に例がないアイドル復帰を果たした。

復帰後は、研究生からスタート。城は「研究生公演にも出られないところから、じょじょにじょじょに経験と勉強を積んで、選抜にまで復帰できました」と振り返った。

後輩も増え、正規へ昇格してからは、面倒見の良さでも知られたが、アイドルとしては異色の8年の活動を「山あり、谷あり。全然、平坦(へいたん)な道ではなかった」。浮沈をともに支えてくれたファンには「私以上に喜び、悲しんでくれたみんながいたから、ここまでやってこれました」と感謝した。

この日、最後の楽曲に選んだのは、研究生だけのユニット曲「想像の詩人」。グループに加入当初は女優志望だったが、復帰後は新たな道を見つけたという。卒業後については「したいことがみつかったんで、そちらの道に。全然違う道に進むので、不安もありますけど、がんばります」と話していた。