締め切りが迫っている、筆者が担当するレジャー面温泉連載(=紙面1ページ分だから原稿量がけっこう多い)の執筆出稿作業に取りかかろうと思っていたところ、スマホにショートメールが着信した音が鳴った。ショートメールに関してはだいぶ以前から、かなりの警戒心を持って開く習性が身についてしまっている。気心が知れた知人と冗談交じりの楽しい情報交換をしたり、単純な連絡ツールとして使うのはいいのだが、電話番号を知っているだけで打てるためか、こちらは文章でのやりとりをその相手に特に望んでいないにもかかわらず、ショートメールを乱用して、ぶっきらぼうな高圧的指示や上から目線助言をやたらしてきたり、「電話では言いずらい」苦情を送信してきたり、短文をいいことに不快な文体でモノを言ってくる傾向がある人が一定程度おり、何らかのショートメールが届くたびに「そういう人からのショートメールかどうか」という過剰な警戒心とともに画面を開くというわけだ。

今回も、そういう人からのショートメールかどうかだけを警戒しつつ恐る恐る開いてみると、そういう人からのメールではなかったが、その文面に一瞬、ドキッとしてしまった。送信者は「info」となっており、本文には

「ご利用料金の精算確認が取れておりません。本日ご連絡無き場合、法的手続きに移行致します」

と書かれていた。末尾に「受付窓口」として「06」で始まる連絡先電話番号が記されていた。

一応、本日「ご連絡」したので「法的手続き移行」は勘弁していただけると勝手に思っているが…
一応、本日「ご連絡」したので「法的手続き移行」は勘弁していただけると勝手に思っているが…

何の「ご利用料金」なのかさっぱり分からないが、要は、よくある、いわゆる架空請求、詐欺的請求メールの類と思われる。

とはいえ、何年も前からあるこの種のメール、パソコンのメールや携帯メールあてに届くことはもはや慣れっこで気にも留めないが、ショートメール宛てに届くと「架空請求」と分かっていても、一瞬ギクッとしてしまうから不思議だ。

ショートメールに届いたということは、わがスマホの携帯電話番号を業者側に知られていると解釈できるから、なんとなく妙な気分になるのだろう。

というわけでさっそく、当該「06」で始まる電話番号に「ご連絡」してみた。特に「通知」「非通知」については記されていなかったので、非通知でかけた。

するとコンピューターのような音声で、業者名も名乗らず

「現在回線が混み合っております。後ほどお掛け直しください」

というアナウンスが淡々と流れるのみだった。

ショートメールには「本日ご連絡無き場合、法的手続きに移行致します」と書いているから、こちらとしては一応「ご連絡」したまでであって、これで理論上、「法的手続きへの移行」はいったんなくなったはずではある。

ただ、「通知」でかけた場合はまた、違うアナウンスが流れたり、担当者が出てきたりするのかも…という可能性も考えられるが、さすがに個人のスマホからこの手の架空請求疑惑業者に通知でかけるわけにはいかない。

というわけで一瞬、芸能デスク席の一般回線電話から通知でかけてみようかとも思ったが、その後、その電話番号に3億回くらい、不正請求電話や脅迫的電話が各所から殺到し続け、本紙の芸能業務が破綻、崩壊する可能性があるため、さすがにやめておいた。

いや、そもそも、こんな日誌をぐだぐだ書いている場合ではない。早く温泉連載の原稿の執筆を始めなければ、締め切りをオーバーしてしまう。というわけで本日は泣く泣くこの辺で。【文化社会部・Hデスク】