ゲームソフト「ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて」(スクウェア・エニックス)が29日に発売されました。本編としては5年ぶりとなる最新作。唐沢寿明さん、山田孝之さん、藤原竜也さんら人気俳優が「楽しみにしすぎる」CMも話題になっています。

 09年に発売された「9」は携帯ゲーム機のニンテンドーDS用、12年に発売された「10」はオンライン用。いずれも、自分以外の誰かとつながって協力しながらプレイするタイプのものでした。大のドラクエファンとして知られた女優の故淡路恵子さんと同様、私も「ゲームは1人でやるもの」派。ゲームの中まで誰かとつながらなければならない新時代にまったくなじめず、9も10も買わずじまいでした。

 生きて再び「1人で」ドラクエ最新作と向き合える日が来るとは。5年ぶりどころか、シリーズ8作目「空と海と大地と呪われし姫君」以来13年ぶりです。このために買ったプレステ4にセットし、テレビにロゴとあのテーマ曲が流れた時は思わず拍手。幸せで涙が出そうでした。

 勇者なのに「悪魔の子」として追われるストーリーもグッときますし、水や草花など、高精細な映像が美しいこと。ドラクエ1、ドラクエ2の「ふっかつのじゅもん」も使えるのですね。山ほどあるじゅもんの中でも「ゆうて いみや…」で始まる伝説の52文字を入れてみると、レベル18、ふくびき券を持った状態でスタートしてびっくり。昨年30周年を迎えた国民的ゲームコンテンツの遊び心に胸アツです。地図が読めない女には泣きたくなるフィールド感も懐かしい。うろうろ、ぐるぐる迷って魔物と戦わざるを得ないうちにレベルが上がっているという情けなさを満喫しています。

 芸能界屈指のゲーマーとして、テレビ番組でも「ゲームは1人でやるもの。自分でHP、MPをこつこつ上げてレベル99まで」「つながらなくていい」と語っていた淡路さん。3年前の葬儀では、ひつぎにドラクエソフトを入れたほどのドラクエ愛も話題になりました。新作を、1人で黙々とプレイしていただきたかったし、感想を取材したかったです。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)