モデルのアンミカ(43)が著書「人の心をつかむ 愛されエチケット57」(双葉社)を発売した。セレブキャラの美貌と上品さでテレビ出演も多いアンミカが、所作を磨いて幸せになれるすべを指南している。このほど取材に応じ著書に込めた思い、幼少期や駆け出し時代の秘話を語った。

 子供の時は容姿に自信がなかった。でもモデルになる夢があり、母から教えられた。「大人になって美人と言われるのは『一緒に居て心地いい人』『いつも笑顔の人』だよ、と何度も言ってもらった。所作、マナーを心掛けるきっかけ」。

 幼少期からの心掛けは、幸せの懸け橋になった。12年にCMやイベントの制作会社社長、セオドール・ミラー氏と結婚。「異文化を知るのもマナーの1つ。旦那さんとより近づくこともできた(笑い)。けんかも『どっちが好きか』ともめるぐらい。(子供は)来年欲しいけど、簡単にできないのよね」。

 こんな笑い話もある。「姉がヤンキー(不良)で、仲良しなのですけど、鼻の骨を折られたり、ボコボコにされた。姉とうまく暮らす工夫を一生懸命考えて気遣い方を学んだのかも」。

 美しい立ち居振る舞いと裏腹に、幼少期は4畳半の部屋に7人で暮らし極貧生活。「鼻が折れた時は、病院で診察を受けるとお金がかかるから、病院の外で応急処置のアドバイスを聞いた。割り箸を鼻に入れ、テープで止めて治しました」。今の正直な胸中も明かした。「セレブキャラになってしまい、戸惑いはありました。貧乏が当たり前だったので」。

 高校卒業後はモデルとしての名声を求めパリへ。上昇志向から、サバも読んだ。現在、公称身長171センチだが「実はうそをついてた。プロフィルの身長を175センチにしてた。書類で落ちちゃうから」。他にも何でもやった。「トルソーモデルっていうマネキン人形の代わりを人間がやる仕事。10時間ぐらい動けない。でも止まってるから、美しく見える西洋人の骨格の肩の位置を勉強できた」。

 各国の王室などが使う世界標準マナー「EPMプロトコール・プロフェッショナルアドバイザー」など多くの資格を持つ。今後の目標は「勉強が大好き。勉強してきたことを時代と手をつないで出したい。両親のいない子のボランティアなども、もっとやりたい。仕事の幅を広げてたい」。まだまだ貪欲だ。【上田悠太】

 ◆アンミカ 1972年3月25日、韓国生まれ。4歳で韓国から日本に移住した。93年パリ・コレクションに出演。09年に韓国観光名誉広報大使、13年には初代大阪観光大使に就任。珠算初段、日本化粧品検定1級など数々の資格を持つ。ジュエリーや化粧品などもプロデュースしている。