広末涼子(35)が異色のサスペンスドラマに挑戦することが12日、分かった。来年1月スタートのフジテレビ系連続ドラマ「ナオミとカナコ」(木曜午後10時)に主演する。作家奥田英朗氏(56)の同名小説のドラマ化。親友と完全犯罪を計画するOLを演じる。コンビを組む主婦を内田有紀(39)が演じる。

 広末演じる直美は、勝ち気だが、望まない職場で憂鬱(ゆううつ)な日々を送っているOL。内田演じる大学時代の親友、加奈子が夫の家庭内暴力に苦しんでいることを知り、離婚を勧めるが、加奈子はおびえるばかり。直美は仕事先で、加奈子の夫にうりふたつの中国人密航者を目撃し、加奈子に大胆な提案をする。

 「いっそ、2人で殺そうか、あんたの旦那」。ごく普通の女性2人が完全犯罪を計画、遂行していく。泥沼の日常を抜け出し、人生を取り戻そうと立ち上がった2人に立ちはだかるスリリングな展開が見どころとなりそう。

 広末にとって、連続ドラマ主演はNHK「聖女」以来1年半ぶり。殺人計画を企てる異色の役柄に挑戦するが、「久しぶりなので不安や心配もありますが、気合を入れて頑張ります」と話している。初共演となる内田については「いつもドラマで拝見していて好きでした。共演させていただくのがとても楽しみです」。

 内田は役柄について「夫の暴力によって追い詰められていく恐怖や心が壊れていくさまなど、とても難しいものばかりなので、全力で受け止めて演じきりたい」と話す。広末については「役柄同様、頼れる女優さんなので楽しみにしております」と話している。

 ともにトップアイドルから女優へと成長を遂げた2人の初共演作として、コンビぶりも注目される。

 ◆「ナオミとカナコ」 直木賞作家の奥田英朗氏が昨年発表したサスペンス長編小説。幻冬舎刊。百貨店外商部で働く小田直美(広末涼子)がある日、大学時代の親友、服部加奈子(内田有紀)のマンションを訪ねる。加奈子の顔にはあざがあり、「夫に殴られた」と告白される。直美はその後、販売会で高級腕時計を持ち去った華僑の李朱美と返却交渉を行った際、加奈子の夫にそっくりな中国人密航者を目撃。完全犯罪のシナリオが浮かんでくる。