来年3月31日の放送でテレビ朝日「報道ステーション」を降板することになったキャスター古舘伊知郎氏(61)が24日夕、同局で行われた記者懇談会で心境を語った。番組を引き受けた当時「自由に、あなたの絵をかいてほしい」と口説かれたことを振り返り「やってみたらものすごく不自由な10年間だった。綱渡り状態でやってきた」と話した。

 「報道ステーション」の番組タイトルは残る。「できればMCが替わるから、今までのは『報道ステーション エピソード1』、4月からは『フォースの覚醒』とか」とおどけ「私のみが去るということで、これはこれでいいな、と。(テレビ朝日が)慰留してくれたのは本当に感謝」と感慨深げに話した。

 今後について「東京オリンピックの開会式の実況や、宇宙ステーションからの実況もやってみたい。不自由な報道にいた12年のうっぷんがたまっている。娯楽の方で思い切りしゃべり倒したい」。後任人事については「僕には分かりませんが、僕みたいに問題発言しない人の方がいい」と笑顔で話した。

 古舘氏は04年4月の番組開始以来、12年間にわたりメーンキャスターを務めてきた。昨日(23日)までの放送回数は2960回、平均視聴率は13・2%、最高視聴率は33・0%。