山形県出身の歌手朝倉さや(23)が、視聴者をひきつけている。昨年9月からSBS「イブアイしずおか」(月~金曜午後4時45分)に出演。他県者の目で静岡の良さを再発見するコーナー「朝倉さやのひとり観光協会!」を担当し、親しみやすいキャラクター、山形弁、歌で番組視聴率アップに貢献している。その人物像に迫った。

 ─昨年9月からの出演で、視聴率を稼いでますね

 ありがとさま。街を歩いても、「さやちゃ~ん」と声を掛けていただいたり、インストアライブをすると、ご家族で来ていただいたりして、うれしいです。

 ─静岡との縁は

 実は人生1度だけの1人旅が、三島だったんです。2年前ですが、「曲を作ろう、旅に出よう」と思い、東京から新幹線に乗りました。その日、三島さ降り立って、うなぎを食べて、富士山の湧き水さ飲んで、三島大社さ行って、熱海さ行きました。散歩しているおばあちゃんや学校帰りの小学生の姿もキラキラしていて、これが静岡の日常なんだなと思って、それを曲にしました。

 ─そんな静岡のテレビで番組レギュラー出演

 あん(そう)だね。お話が来て驚きましたが、ワクワクしました。まさに、三島に旅をした時と同じ視点で、静岡の日常を見て、感じたことや驚きを伝える初めての仕事だったので。

 ─いろんな場所をめぐって感じた静岡は

 来るたびに発見があります。駅の周りは都会なのに、ちょっと行くと自然があって、海もある。何でもある所だなと。冬なのに雪がないのにも驚きました。あと、おでんがやたらにある。定食屋さん、海鮮丼屋さんにもあって、どこさ行っても(具が)黒いのに驚いています。

 ─幼少から民謡を歌ってきたと聞きました

 独特の節回しや地域に根付いている民謡の魅力にはまって、小2から本格的に始めました。そして、もっとうまくなりたいと思い、歌手を目指しました。

 ─18歳で上京

 最初は生活するために会社員として働きましたが、シンガー・ソングライターになりたくて、ギター教室を探している中でSolayaさん(現担当音楽プロデューサー)と出会いました。で、自分で曲作りを始めて、最初に作った「東京」が認められて、デビューしました。(山形から)上京して、独りぼっちでも、家族や友達とつながっている時の思いを書いた曲です。なので、静岡で行く場所や人々との出会いも全部、曲につながると思い、感じたことをこぼさないようにノートに書いています。人生は出会いでできている。そう思っていますから。

 ─静岡を感じて作った曲は

 はい。「だもんでレボリューション」です。静岡の人と話していると、普通に「だもんで」と出てくるので、それが「いいな~」と思って作りました。

 ─デビュー3年。昨年はレコード大賞企画賞も受賞して、順調ですね

 ありがとさまです。素晴らしい伝統文化の民謡を身近に感じてもらうために、民謡をラップ、ファンク、メタルなどと融合して、アルバム「River Boat Song-Future Trax-」を作りました。

 ─有名な曲を山形弁でカバーしていますね

 山形が大好きで、方言も素晴らしい文化と思いまして。ちなみに「タッチ」は、山形弁で「ちょす」と言います(笑い)。

 ─静岡で有名になった心境は

 山形と同じで人々が温かくて「第2のふるさと」になった感じです。5月5日には、静岡市民文化会館でコンサートを開催します。お客さんに前向きな気持ちになってもらえるように、トークも頑張ります。

 ─そのメガネは

 だてメガネです。最初にテレビに出た時に、掛けたらメガネで覚えていただいた方が多くて、もう外せなくなりました。視力は0・6ぐらいです。

 ─今後の目標は

 「ひとり観光協会!」を長く続けて、静岡の人がまだ気付いていない日常を見つけていきたいです。そして、人のいろんな場面に寄り添える曲を作って、歌っていきたいです。歌ってすごい力を持っているので。【取材・柳田通斉、鈴木正章】

 

 ◆朝倉(あさくら)さや 1992年(平4)6月29日、山形市生まれ。小2から民謡を習い、小6、中2で民謡少年少女全国大会で優勝。18歳で上京し、13年4月5日、「東京」でCDデビュー。15年、日本レコード大賞企画賞を受賞。今月27日に新アルバム「快進撃のミュージック」をリリース。

 静岡県民放テレビの夕方ワイド番組(月~金曜)は、三つどもえの視聴率争いをしている。昨年度(15年3月30日~16年4月3日)の同時間帯平均視聴率は、Daiichi-TV「まるごと」(午後4時53分)と静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」(午後4時45分)が、9・0%(ビデオリサーチ調べ、静岡地区)で同率1位だった。

 だが、同年度下半期(15年9月28日~16年4月3日)に限ると、SBS「イブアイしずおか」と「とびっきり!しずおか」が、9・6%で並んで1位。「イブアイしずおか」の上半期(15年3月30日~15年9月27日)は7・4%で、2・2ポイントのアップだった。その要因が、朝倉とみられている。山形県出身のプロデューサーが「他県者の目で静岡の魅力を伝えたい」と朝倉を呼び寄せ、昨年9月1日からゲストで起用。同10月から担当コーナー「ひとり-」が始まった。取材によると、「ひとり-」が始まる午後5時30分前後から約20分間は、「イブアイしずおか」が数字を伸ばしており、他局の関係者も「その時間帯にSBSさんが強いのは事実」と証言する。

 「ひとり-」は朝倉が県内を歩き、見て感じたことを山形弁でコメントし、民謡を口ずさむ構成で、中高年層を中心に支持を集めている。先日、私が乗ったタクシー運転手も「毎日、楽しみにしている。コーナー時間を長くしてほしい」と話していた。【柳田通斉】