「爆笑王」の異名をとった故桂枝雀さん(享年59)の長男で、昨年8月から桂ざこば(68)に師事している桂りょうば(44)が今月末、わずか1年で年季明けになることが決まり、15日、発表された。

 この日は、大阪・サンケイホールブリーゼで、毎夏恒例の米朝一門会が行われ、その打ち上げ席上で、ざこばが「今月いっぱいで、りょうばが年季明けになります」と発表。りょうばは「師匠に感謝です。それしかないです」と頭を下げた。米朝事務所では通例、2~3年の内弟子修業があり、1年での年季明けは“史上最速”だという。

 りょうばは20代のころからバンド活動をし、6年前からアマチュア落語家としても活動。昨年8月の同一門会打ち上げで、正式にざこばに弟子入りが決まった。以後は、大阪・天王寺の動楽亭上階に住み込み、高座手伝いを経て、今年1月に同亭で初高座。ここまで7カ月半ほどで、各所の勉強会も含めて、50回ほど高座を務めてきた。

 ざこばは、43歳での入門という年齢的な事情や、父の枝雀さんのもとで、幼いころから落語に親しんできた環境も考慮。弟子入り1年で独り立ちを許した。

 りょうばは「この1年、楽しいことしかなかったですね。(動楽亭の)上で(住まいも)確保できましたし、さあ、年季明けたら住まいからどうしようか、と」と苦笑。「実家へ帰るしかないですかね。この年で実家へ帰るとは思わなかったですけど」と照れた。

 30歳のときに夫人(44)と結婚し、夫人はいまだ東京で働いており、別居が続くが「理解をしてくれるので、ありがたいです」と、夫人にも感謝。昭和の上方落語を象徴する父・枝雀さんと比べられることも「この年で、僕がここに入ったらどうなるか、分かっていたことです。ある意味、こんな男が落語の世界に入ったらどうなるかという人体実験みたいなもんですね」と受け入れている。

 ダイナミックな動きを取り入れ、表情もころころ変わる。声質もそっくり。偉大な父譲りの高座スタイルは、師匠のざこばも太鼓判を押す。

 一方で、ざこばは「うまく話すというのはええけど、ちっちゃい。ただうまいことしゃべってるだけや」と厳しい指摘もする。

 師匠の意見にりょうばも大きくうなずき「僕自身は(枝雀さんに)声が似ているとも思わない。僕は、もっともっと師匠(ざこば)の空気、世界観の部分を吸収していきたい」と話している。

 りょうばは9月18日、サンケイホールブリーゼで開かれる「桂ざこば独演会」に出演し、「つる」を演じる。