政府は17年秋の褒章受章者を2日付で発表した。受章者は775人と22団体で3日に発令。学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章に、脚本家三谷幸喜氏(56)作詞家松本隆氏(68)夫婦漫才コンビ宮川大助(68)・花子(63)将棋棋士森内俊之九段(47)らが選ばれた。三谷氏は数多くの演劇やドラマを手掛けたほか、映画監督としても活躍。松本氏は「赤いスイートピー」「冬のリヴィエラ」など数々の名曲を生み出した。宮川大助は腰の手術などで入退院を繰り返し9月に舞台復帰したばかり。森内九段は永世名人の資格を持ち、将棋界をけん引してきた。

 三谷幸喜氏 笑いは、僕にとって最も大事なアイテム。人を笑わせるのが大好きだった。これはやったぞという作品は、まだない。早くそういうものを作りたいです。目指すのは、ほんのちょっと生きる勇気が湧いたり、ちょっと前向きにやってみようと思えたりする芝居です。意外に、そういうものが、大事なんじゃないかなという気がしています。

 松本隆氏 予想もしていなくて、びっくりしています。日本語のロックを提唱し、英米のものまねではない音楽の創作に言葉の面から非力ながらも日々を費やしてきました。自分に課してきた努力が認められてうれしいです。「はっぴいえんど」の他の3人を始め、友人や歌手など、周りに恵まれ、集まってくれた才能あればこそです。父は大蔵省の役人で受章したので親子2代でいただけたのもうれしいですね。

 宮川大助・花子 (大助は3月に腰部脊柱管狭窄=きょうさく=症で手術後、感染症など発症しており)今年は『ショウ』の当たり年。このショウ(褒章)は考えてもみなかった。同じキン(菌)でも、こんなすばらしいキン(金)をいただけると思っていなかった。僕らは窮鼠(きゅうそ)の芸。1日10時間稽古して殴り合い(大助の)奥歯が折れたこともあった。(夫妻とも胃がん、脳卒中などを克服しており)すごいジェットコースターやった。

 森内俊之九段 将棋界の歴代受章者(故大山康晴十五世名人、加藤一二三・九段、谷川浩司前会長ら13人)は偉大な先輩ばかりで、お話が来た時にはびっくりしました。名誉なことだし、考えた末にお受けすることにしました。日本将棋連盟専務理事として、将棋界がどうしたら良くなるかを最初に考えて生活しています。後輩たちにとってやりがいのある魅力的な世界にしていきたいです。