昨年、日活ロマンポルノ45周年記念作品「風に濡れた女」で注目された女優、間宮夕貴(26)が再び体を張って熱演している。このほど日刊スポーツのインタビューに応じ、12月9日公開の出演映画「ビジランテ」でのすさまじい撮影を明かした。

 「ビジランテ」では、72時間無休の撮影もあったという。

 「終盤の集団乱闘シーンなんですけど、入江(悠)監督のこだわりで日光がいっさい入らない室内撮影でした。『はい、もう1回』の繰り返しで、何が悪いかも分からない。10分足らずのシーンが延々と終わらない。人間って、太陽の光は大切なんですね。自律神経がやられて、もうろうとしてくる。それが監督の狙いなんでしょうけど。でも、私追い込まれるの嫌いじゃないんですね」

 暴力的な父に育てられた3兄弟が、地方都市の腐敗の中でのたうつような物語。大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太が兄弟を演じ、間宮は長男・大森の恋人役で、象徴的な女性として、幻覚の中で父親役の菅田俊に抱かれるヌードシーンもある。うつろな表情には匂い立つような魅力がある。

 「あの撮影ももうろうとするぐらいまでやりました。後ろから抱かれているので、だんだん相手が大森さんなのか菅田さんなのか分からなくなりました。夜は気温マイナス2度という環境だったのできつかったです。でも、大森さんたちは川に入るシーンもあって、それに比べたら、と」

 13年の「甘い鞭」以来、石井隆監督作品の常連女優として過酷な状況に追い込まれる女性を演じてきた。

 「私はドMかもしれなくて、追い込まれる方が力を発揮できる気がします。今回も入江監督から映画の奥深さを改めて教えていただいた気がします」

 大学では心理学を専攻。難役に体を張る貴重な存在といえそうだ。【相原斎】

 ◆間宮夕貴(まみや・ゆき)1991年(平3)3月9日、愛知県生まれ。グラビアタレントとして活躍し、13年「甘い鞭」で映画出演。「屋根裏の散歩者」(16年)などの主演作がある。