NHK定例放送総局長会見が24日、都内で行われ、木田幸紀放送総局長が、昨年の紅白歌合戦に特別出演した安室奈美恵(40)の紅白の舞台裏映像を有料動画配信サービスHuluが独占配信したことについて、あらためて説明した。

 今月11日の定例の会長会見で制作局幹部が、「私どものクルーを入れた」と説明したが、Huluは当初、公式サイトでHuluのカメラが撮影と表記し、食い違いが指摘されていた。

 木田氏はこの日、「紅白の舞台裏についてはNHKは毎回、撮影しているが、子会社のNHKエンタープライズ(NEP)に委託してやっている。そのNEPからまた制作会社に委託して撮影している。(今回は)NEPが安室さんの密着ドキュメントをずっと作ってきた制作会社に委託した。それはNHKもなじみのある会社。NHKでは撮った素材を社会に幅広く還元している。CATVなどにも有料で提供している」と説明した。

 今回、映像をHulu1社に提供した形になった理由は「NHKは1社と決めていない。ただし使用したいとして申請する側で各権利者の許諾を申請する側で取ってもらう必要がある。その上で、NHKで審査して規定どおりなら許可する仕組み。なぜ1社かは権利者の許諾の段階で1社になることがほとんどだから」と説明した。

 一部報道ではHuluのクルーに委託して撮影したとされるが、木田氏はHuluではなく「NEPが業務委託した制作会社のクルー」とあらためて語った。また、Huluの公式サイトの文言には「向こう側の認識が違うのではないか」とした。

 Huluは、NHKから有料提供された舞台裏の映像を、今月5日から1カ月限定で独占配信している。