日本テレビ系人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」(日曜午後7時58分)で、お笑いタレント宮川大輔(46)が出演する人気企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」の5月20日放送回、ラオスの「橋祭り」をめぐりやらせ疑惑があることを、8日発売の週刊文春が報じた。この報道を受け日テレは同日、疑惑を文書で否定。ただ、誤解を招く表現に反省すべき点があったとした。

問題になっているのは「橋祭りinラオス」。宮川が世界各国の祭りに赴き、現地の人たちと祭りで行われる競技などに参加する「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」の企画で放送された。番組では、橋に見立てた全長25メートルの板を、揺れる玉をよけつつ自転車で渡り、スピードなどを競う祭りだなどと紹介した。4月8日に首都ビエンチャンで行われ、宮川が参加した様子が放送された。

週刊文春は、同番組が「橋祭り」を「でっち上げた」と報じ、やらせ疑惑が浮上した。現地日本人駐在員やラオス当局者らが同誌に対しそのような祭り自体はないという趣旨のことを証言。4月8日に現場で行われていたのは「コーヒーフェスティバル」で、橋祭りは同フェスの敷地の端で行われていた「自転車アクティビティー」であり、日本側から提案された形で、現地のタイ人スタッフらがセット設営を手伝ったという証言も報じている。参加者に対して、番組から賞金が渡されたとも伝えた。

報道に対し日テレは8日午後、ファクスで「今回の企画は、現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません」と否定した。

同企画は、現地コーディネート会社から「水の上の一本橋を自転車で渡る催しは、東南アジアのテレビ局でも取り上げられるなど各地で人気となっている催し」との提案をうけ「番組サイドでも資料映像等を確認した上で、企画決定に至りました」と説明した。また、この催しは、同コーディネート会社から「ラオスでは村単位で開催されているとの説明はあった」とし、橋祭りのでっち上げ疑惑を否定。「コーヒーフェスティバル」敷地での開催も事前に承知しており「意図して紹介しなかったわけではない」とした。

一方で、日テレは「今回放送した会場での開催実績を十分に確認しないまま作業を進めてしまいました。結果、この会場で初めての開催であった『橋祭り』を、放送では毎年行われているかのような、誤解を招く表現となりました。この点については、番組として真摯(しんし)に反省すべき点があったと考えております」と一部謝罪もした。

「イッテQ!」は、お笑い芸人らが世界各地におもむき体を張る企画が人気で、視聴率20%を超えることもある日テレの看板番組。