強制性交の疑いで逮捕された新井浩文容疑者(40)が利用したとされる「派遣型マッサージ店」は、性的なサービスがある店ではないという。女性が客の自宅などに出張する形態ではあるが、オイルを使うなどして客の体をほぐしていやす、純粋なマッサージ店とみられる。店側は事前に、利用客に対し、性的サービス禁止に合意する書面へのサインを求めるなど、徹底していたようだ。

ただ、こうした「非・性風俗店」の派遣型マッサージや「メンズエステ」と呼ばれる店では、本来禁止されているものの、通称“裏オプション”などという隠語で呼ばれる、性的サービスを求める男性が後を絶たず、トラブルも多いという。男性客と女性が、客の自宅やホテルという「密室」で1対1になる…という状況も背景にあると思われる。

「性的サービスNG」の派遣型メンズエステ店に約1年勤務していたという都内の会社員女性(26)は「サインをさせるなどして厳しく性的行為を禁止した場合は別でしょうが、私が在籍した店はそこまで厳しくなかったこともあってか、自宅やホテルに出張すると半数近くの男性客が、追加料金を払うと言いつつ、何らかの性的サービスを交渉してきました。性交まで求める人もけっこういて、“そういうお店じゃないんです”と断ってもしつこい人もおり、何度か強引に要求されかけ、店長に電話して警告してもらうなど、トラブルになりかけました。新井容疑者の件は、氷山の一角ではないでしょうか」と証言した。

一方、派遣型の業態には、デリバリーヘルス(通称デリヘル)などと呼ばれ、「無店舗型性風俗特殊営業」として警察に届け出ている、性的サービスをともなう店も多い。

派遣型業種に詳しい風俗ライターは「非・性風俗のマッサージやメンズエステは、公式サイトなどに『当店は風俗店ではありません』などと断っている場合が多い。しかし、そういった店でも一部客が“誤解”したり、深夜利用した場合、酒が入るなどして気が大きくなり、無理やり性的サービスを求めるなどして、女性ともめたり、店側から利用禁止の通知をされたり、ひどい場合は警察を呼ばれ強制わいせつ事件に発展することもしばしばあります」と解説した。

女性が客の自宅やホテルに出張する派遣型業種をめぐっては、最近では「盗撮トラブル」も目立つという。性的サービスがないマッサージでも、性的サービスがあるデリヘルでも増えているようだ。この風俗ライターは「最近は、腕時計型や車のキー型など、一見分かりにくい小型盗撮用カメラが多種類出回っているほか、スマホでも盗撮用のアプリが出ている。そういったものを使って、自宅やホテルに呼んだ女性を盗撮する一部男性客が増えている。ただ、バレて警察沙汰になったり、トラブルになる例もよく聞くようになった」と続けた。