俳優生田斗真(34)が、レギュラー出演するNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(日曜午後8時)について、作品への思いや撮影現場の様子などを語った。主演中村勘九郎が演じるマラソン選手金栗四三と、日本人として初めて1912年のストックホルム五輪に陸上短距離選手として出場した三島弥彦を演じている。

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-昨年8月にはストックホルムで約3週間のロケを行った

生田 ストックホルムに行ったのは貴重な経験でした。100年前に実際に使われたスタジアムで、実際に三島さんが走り、金栗さんが走ったトラックを走るのは貴重な経験。現地でのスケジュールに余裕があり、毎日、金栗君(勘九郎)と夕ご飯をともにして、たくさんの絆が芽生えました。壮大なスケールの撮影で僕らも物語の世界に紛れ込んだ気になり、帰国後も夢のような時間だったと、よく2人で話します。

-現地のトラックに立った時の思いは

生田 トラックを踏みしめた時、この時のために頑張ってきたという思いになったし、五輪選手は僕らなんかでは、計り知れないプレッシャーとそこにかける思いがあるんだと感じました。僕に走り方を教えてくれた方は五輪に出場するような選手ですが、その方が言ったことが印象的。『五輪は4年に1回と言われるが、僕たち短距離選手には4年にたった10秒しかない。10秒のためにずっとトレーニングを続けている』。これは想像できないくらいの思いが詰まっているんだなと感じました。

-宮藤官九郎氏の脚本に感じることや宮藤氏と何か話したのか

生田 宮藤さんは、こうしてほしい、ああしてと言わない方。脚本に書かれていることがすべてと思っています。早く次の台本が来ないかなと思うほどワクワク、ドキドキをくれる台本。あと、宮藤さんと一緒に仕事をすると必ず、服を脱がされるんです。またかと思いました。いつも脱がされる。もれなく(笑い)。

-いつ服を脱いでもいいように鍛えているのか

生田 トレーニングは自分なりに続けてはいます。体脂肪率は1桁だとは思いますが分かりません。三島さんをやっている時は、とにかく、いっぱい食べることは意識します。共演の武井壮さんや満島真之介君と食事に行ったんですけど『やっぱ米は大でしょ』と、みんなで食生活から変えていったと思います。

-「軍師官兵衛」以来の大河。違いを感じるか

生田 大河ドラマに出ているという感覚はあまりなくて。何か新しいことをやって型破りなことをして日本を元気にしようぜという思いが強いチーム。そこに乗っかり、日曜日が楽しみになり、明日も頑張ろうと思えて、日本をもっと好きになれるようなドラマを作りたい気持ちが強い。でも、まさか大河で自分の裸が毎週出てくるとは思っていなかった。そこが新しい部分かなと(笑い)。

-撮影中の記憶に残るエピソードは

生田 またストックホルムの話になりますが、ロケが昼すぎに終わったので金栗くんと遊園地行くかと話し、試しに竹野内豊さんを誘ったら来てくれたんです。アトラクションのフリーフォールに乗り、上昇している時の金栗君(勘九郎)の「怖い、怖い、どうしよう」という声と、いい声で「は、は、は、は」と、余裕でずっと笑っている竹野内さんの2人にはさまれているのが楽しかった。まさか竹野内さんと遊園地に行けるとは思ってなかった。

共演者とのチームワークの良さを感じる。他の共演者も同様に脚本が面白く、現場も楽しいと話している。いだてんチームの魅力が作品を通じて視聴者に伝われば、視聴率も上昇気流に乗る気がする。