普段あまり取材を担当しないTBSを訪れる機会があった。バラエティー新番組「メイドインジャパン!」(4月15日スタート、月曜午後9時)の取材会。MC山里亮太(41)は、レギュラー16本が納得できる、切れ目のないトークとサービス精神があり、バラエティー初レギュラーという入社1年目の田村真子アナ(23)は初々しさ満点で、将来有望な雰囲気を感じさせた。

ただ個人的には江藤愛アナ(33)のホスピタリティーにくぎ付けだった。山里の「池上彰超え」宣言には「あら!もう?」「え~っ?」と、しずちゃんの代わりかのように、容赦なく突っ込む。江藤アナ自らも「どっちがやりやすいんですか、メイン(MC)とサブ?」という記者のような質問をして、山里の「メインは気持ちいいよね」という最高の回答を引き出した。

一方で、山里が悪ノリして他局の番組の宣伝をしても「何曜の何時ですか?」と話を広げる。局アナ、サラリーマンの枠に縛られず、共演者への愛と取材陣へのサービス精神にあふれていた。

後輩の田村アナに対しての気遣いも絶妙だ。「私の10歳も年下なんですよ。だから(自分も)どうにか若作りできないもんかなと。こんな若い子と並ぶのどうしようかな、フリフリもあれだしな」と自虐ネタを交えつつ、「マジメなんです」とフォローすることも忘れなかった。

思い起こすのは14年。江藤アナは国立競技場のさよならイベントをプライベートで訪れた際、NHKのニュースに一般来場者として映り込み、民放他局にもインタビューを求められたことがあった。その時TBSアナと気づかれなかったことに対し「気づかれるようにしなくてはいけない」といった趣旨の回答を番組でしていた。女性アナのプライベートという聖域を大っぴらにされたことに対し、かなり気の利いた回答で、感心した記憶がある。その印象は、実際に見ても変わらなかった。

取材会は終始なごやかで、笑いが絶えなかった。最後には局担当者が「楽しいお話は尽きないですが…」と質問終了を切り出すと、江藤アナが先頭を切って「え?うそ?まだ手を挙げている(記者がいる)」とまたも取材陣を気遣った。

局関係者も「何でも拾える」と高評価していた江藤アナ。おそらくフリーになっても人気者にはなるだろう。ただ局アナという枠の中で、その枠を天真らんまんに超える表現ができる、貴重な存在。最近は各局、女性アナの退社の話題が多かったが、本人が望むなら、TBSでの今後の活躍を見続けていきたいところだ。