日刊スポーツが平成31年間で1万1000回以上に上る1面(東京最終版)の見出しを、徹底的に手作業で集計。松井秀喜が1位だった結果を受け、愛読者の漫画家やくみつる氏(60)が日刊スポーツが伝えた平成を分析した。

■分析&未来予測

平成半ばまでは長嶋巨人に松井がいて、巨人戦が地上波放送され、それが中心でした。そこにイチロー、松坂が来て分散化が始まった。さらなる功労者は、実は昭和最後の年に南海を買収したダイエーの中内功オーナー(享年83)だったと思います。福岡が盛り上がり、北海道の日ハムが続きました。阪神はもともと人気がありましたが、広島も昭和の終盤くらいから盛り返しました。本拠地に根差した人気の流れは、中内さんの動きで潮目が変わった気がします。

そこにJリーグのサッカー、若貴人気の相撲と、野球一辺倒から3大プロスポーツが1面を競い合うようになりました。

相撲も若貴まではわが世の春的話題でしたが、朝青龍が1面に来る頃から流れが変わり、平成後半は1面は不祥事ばかりでした。

社会ネタも増えました。政治も社会部目線で捉えるのがスポーツ紙の特徴。政治家をキャラクター目線で見るようになったのもスポーツ紙の存在が大きい。そこに飛び切り大きいオウム事件が起きました。

平成最後になって訃報の多さに驚きます。昭和に活躍した人たちが次々と。「訃報」のくくりで1面を集計したら結構上位に来るんじゃないでしょうか。

令和を予想すると、元年から3、4年くらいは佐々木朗希君ですね。大谷やダルビッシュと比肩されるでしょう。大相撲は令和10年から15年くらいに白鵬が理事選に打って出て…そのすったもんだを見てみたい。

貴乃花は年寄には戻れないけれど、評議員にはなれるはず。池坊先生的な位置に貴乃花が来たら…。令和15年の1面候補として予測しておきます。(談)