公私ともに親交のあった石井ふく子さん(92)が14日、京マチ子さんの訃報に際し、コメントを発表した。

「京マチ子さんとは長いお付き合いでした。テレビ、舞台でたくさんのお仕事をしたことを懐かしく思い出します。私と同じマンションにお住まいになっていたので、親しくさせていただき、煮物などを、お好きな物を調理するとお持ちして、召し上がっていただくような仲でした。気さくな方で、お友だちがよく部屋に集まっていました。大女優さんとお呼びするにふさわしい芝居をされる方でした。京さんのような方はもう現れないと思います。お声を聞くことも掛けることも、もうできないことを寂しく思います」。

◆京(きょう)マチ子 1924年(大13)3月25日、大阪生まれ。36年に大阪松竹少女歌劇団に入り、49年に大映に入社。同年の映画「痴人の愛」で注目される。ベネチア映画祭グランプリを受賞した50年の「羅生門」(黒沢明監督)で主演を務め、その後もカンヌ国際映画祭で53年の「地獄門」(衣笠貞之助監督)がグランプリに輝くなど出演映画が数々の国際映画祭の最高賞を受賞したことで「グランプリ女優」と呼ばれた。56年にはアメリカの映画「八月十五夜の茶屋」にも出演。テレビは64年のフジテレビ系「あぶら照り」が初出演。好きな言葉は思いやり。趣味は乗馬、釣り、ゴルフ。