認知症を題材にした異色の映画「長いお別れ」(中野量太監督、31日公開)の先行試写会の舞台あいさつが17日、大阪市内で行われた。

原作は、直木賞作家の中島京子氏の同名小説。認知症で、ゆっくり記憶を失っていく父親との、お別れまでの家族の7年間を描いた物語。

京都出身の中野監督は「大阪には昨日、着きました。串揚げを食べました」と話すと、司会者から「あの、さっきも…」と問いかけられ、「たこ焼きを食べました」と告白し、食いしん坊ぶりで会場を笑わせた。

「認知症? イヤやわと思っていらっしゃる方もいるかもしれないけど、家族の一生懸命さにクスッと笑える映画でもあります」とPRした。

認知症になる父を山崎努(82)、娘を蒼井優(33)と竹内結子(39)、妻を松原智恵子(74)が演じる。次第に記憶を失っていく父の姿に戸惑いながら、それぞれが自分自身の人生とも向き合い前に進んでいく。

「認知症を扱っていますが、総じてファミリーヒストリーです。でも認知症の真実はしっかりと描いています。ちょっと肩の力を抜いてみていただければと思います」と語った。