TBSは5日、同局系ドキュメンタリーバラエティー「消えた天才」の8月11日放送回などで「番組としては絶対にあってはならない手法」による加工を行っていたとして謝罪し、調査が完了するまで放送を休止することを同番組公式ホームページで発表した。

8月11日放送回については「リトルリーグ全国大会で全打者三振の完全試合を達成した当時12歳の少年の試合映像を放送した際、映像を早回しすることで実際の投球よりもストレートの球速が速く見える加工を行っていたことがわかりました。加工が行われたのは、放送した投球シーン全31球のうち7球で、投手がボールをリリースした瞬間からキャッチャーミットに収まるまでの約0.5秒間について、映像のスピードを実際よりも2割程度速くしていました」と説明。「アスリートのすごさを実際の映像で表現するという番組の根幹をなす部分を加工することは、番組としては絶対にあってはならない手法だと考えております」とし、「取材に協力してくださったご本人及び関係者の方々、そして番組をご覧いただいた視聴者の皆様に深くおわびいたします」と謝罪した。

また、調査の結果、このほかにも過去に3件、同様の加工が行われていたことが判明したという。2018年1月3日放送回では「インターハイ卓球女子シングルスで優勝した女性が現役引退後、29歳になった時に卓球をする映像のスピードを実際よりも2割程度速くしていました」、および「地方のフィギュアスケート大会で優勝した当時小学生の男子の映像について、スピンのスピードを実際よりも2割程度速くしていました」とし、同年11月4日放送回では「元Jリーガーの男性が小学生時代に出場した試合について、ドリブル突破を図る映像のスピードを2割程度速くしていました」とした。

こうした事態を重く受け止め、「調査が完了するまで『消えた天才』の放送を休止いたします」とした。