玉山鉄二(39)が主演するWOWOW「連続ドラマW トップリーグ」(10月5日スタート)の完成披露試写会を9月30日、都内で取材した。

共演は池内博之(42)佐久間由衣(24)小雪(42)小林薫(68)といった豪華なキャスト陣。その中でも、陣内孝則(61)のサービス精神は際だっていた。

陣内は、冒頭のあいさつでは「昔、徳川家康が人生とは重きにを背負いて、遠き坂道を行くがごとし、と申しました。私、この言葉に触れたとき、こう思いました。『電動自転車買おう』…」。まずひと笑い誘うと「すばらしい原作、すばらしい脚本。骨太な辛口の社会派ドラマに出させてもらい感無量です。私はこれから社会派として生きていきます。社会派一本に仕事を絞ります。ただ生活がありますので、たまにバラエティー出たりコメディーに出たりするかもしれません。それをご覧になったときは『陣内は今、生活が安定していないんだな』と思っていただければ」とマシンガンジョーク。コメディーからシリアスもの、監督まで経験豊富な陣内の本領発揮だった。

陣内はさらに「髪の毛が真っ白だったんですけど、プロデューサーに染めてくださいと言われ、真っ黒にしたんです。でも真っ黒にすると若く見えちゃうので、持ち前のさわやかさとか、透明感が出ちゃう」とまたも爆笑を誘う。その後、見事だったのが、共演者への絶妙なパス。「玉山君に『透明感など一切出てないです』と吐き捨てるように言われました。役作りは成功しているのかな」と振った。

陣内は「玉山君は無名のころ、僕が撮った『ROCKERS』という映画のオーディションに来て。絶対こいつだ、と思って出てもらったんですよ。そうしたらぐんぐん伸びて来やがって。僕を踏み台にしてのし上がった男。玉山と玉木(宏)。盆暮れの付け届けくらいしろって」。毒舌で玉山を持ち上げた。

先輩の小林に対しても、陣内は「打ち上げで小林薫先輩が光石研に『僕より10歳下だから、58歳だよね』と言うから、光石研の話をするのかと思ったら、『僕は58歳の時、子供をつくったんだよ。すごいでしょ』って力説。あの意味が分からない。先輩は『俺は生殖能力が優れている。芸能界におけるディープインパクトだ』って言いたかったんですよね」とツッコミを入れた。

小林は「そういえば…、という話ですよ。そう思えば、僕が子供に恵まれたのが58歳だったを思い出したよ、というくらいの意味合いですよ」と苦笑いで返答した。結果的には、若手にトークを譲り気味だった小林を巻き込む形となり、陣内のさりげない気遣いもかいま見えた。

その後も池内に対して「空気読めないところがある」と毒を吐いて笑いを取り続けた陣内。トークの中心でありながら巻き込み上手でもある技量は、見事というほかなかった。【大井義明】