東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞した「ケンとカズ」の小路紘史監督による長編映画第2弾「辰巳」に、主演で遠藤雄弥(32)ヒロイン役で森田想(19)主人公・辰巳の相棒役で佐藤五郎が出演することが10日、分かった。

小路監督は映画「ケンとカズ」以来の2年ぶりとなる長編作品。自主制作作品で「自分の作る映画はエンターテインメントであり続けたいと考え、常にシンプルな構造を持ち、複雑なキャラクターが登場し、どんどん物語が動いていくストーリーづくりをしたい」と監督自らがオーディション、1500人の中から出演者が選出された。

遠藤が演じるのは、ヤクザ稼業で金を稼いでいる辰巳。ある日、森田が演じる不良少女・葵の家族が殺害される現場に遭遇し、葵を助ける。家族を殺され復讐(ふくしゅう)を誓う葵は、辰巳に助けを求めるのだが…。2人の登場人物の出会いから、関係性が作られていく過程が描かれ、さまざまな事情を持つキャラクターがぶつかり、引き寄せ合っていく。

公開は20年後期を予定で現在、撮影中だ。また、12月16日まで映画製作のためにクラウドファンディングも行われている。

遠藤は「今現在、映画『辰巳』は着々と創作を進めていて、監督を始めスタッフの皆さん、キャスト一丸となって鋭意撮影中です。小路監督は前作の長編映画『ケンとカズ』では自主での映画製作のスタイルでした。今作の『辰巳』も自主映画です。この小路さんの映画作りに対する覚悟と思い。これに死ぬ気で応え、反映し、調和され少しずつ完成に近づいて行く日々の現場は、とても豊かで貴重な時間が流れています。小路組全員の思いが作品に向かっています。そして、撮影の日々で、傑作になる可能性を確かに感じています」と話す。

森田は「最初のオーディションを受けた時から、小路さんのまなざしがあまりにも真っすぐでまぶしかったので、この方を信じてお芝居が出来たら楽しいだろうな、と思いました。その直感は正解で、また光栄なことに、魅力あふれる役を頂きました。既に素晴らしい映像ばかりで毎日興奮しています。熱量のあるスタッフさん、俳優部の皆さんとともに、最高の作品にするべくまい進している最中ですので、どうか大きな期待を寄せて、応援のお力添えを頂ければ幸いです」。

佐藤は「小路紘史監督の前作は僕にとって特別な存在でした。出演していた役者に対して初めて嫉妬を覚えた作品でもありました。日常、諦めないという信念を持っていれば必ず近くに行けると思っております。僕にとっては夢の小路組。監督、スタッフ、キャストとともに前作以上の作品を創りたいです。皆さまの応援、よろしくお願い致します」とコメントしている。