秋元康氏プロデュースの劇団4ドル50セント福島雪菜(20)が15日、日刊スポーツの取材に応じた。18日から上演の舞台「フラガール -dance for smile-」(東京・日本青年館ホールなど)に出演し、フラガールを目指す少女、早苗を演じる。劇団外の舞台作品は初挑戦。体当たりで稽古に臨んでいる。【横山慧】

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-劇団外の舞台は初出演です

福島 お芝居で食べているすばらしい方々の中に交じって、たくさん教えていただいています。もちろん見ていて勉強になるし、(山崎)銀之丞さんからは「若い頃から苦労はしたほうがいいよ」と言われました。有森也実さんからは「このシーン、こういう風にしたほうがいいよ」とか、アドバイスをくださいました。劇団はみんな同期なので、先輩から教えていただくっていうのが新鮮で、ありがたかったです。「フラガール」で学んだことを、劇団にも持って帰れたらなと思います。

-役どころについて

福島 有名な映画の舞台化なので、もともとの早苗のイメージも強いと思うんです。ただ、私なりに早苗に向き合ってきて思った「早苗」を、お客さんにお見せできたらなと思います。早苗がいかに周りを巻き込んでいくかが、物語の大事なところ。これまでは台本通りに進めることばかり意識していたんですけど、(構成演出の)岡村(俊一)さんから「言いにくいせりふがあったら、台本を変えてもいいよ」と言っていただきました。実際に変わったせりふも結構あります。

-主演の乃木坂46井上小百合さんはじめ、元℃-ute矢島舞美さん、AKB48チーム8太田奈緒さんらと共演します

福島 みんなすごい人だし、アイドルだし、最初はどう接していいか分からなかったんですけど、意外と気さくに話してくれて。小百合ちゃんとかも、お話ししながら、一緒に帰ったりします。伊藤修子さんがシリアスなシーンでアドリブを入れてくるのを、毎回(笑いを)こらえきれなくなっていて。小百合ちゃんと「どうにかしてこらえなきゃいけないけど、あれはちょっと無理だよね」って話しています(笑い)。

-ライバル心は

福島 負けたくないというよりは、すごく魅力的な方々の中で芝居をさせていただくので吸収したいという気持ちですね。これから私は女優として生きていきたいので、人生の中で「福島にとっての1つのターニングポイントだったよね」って言われるような舞台にしたいです。

-11月15日公開の「恐怖人形」で、映画初出演を果たします。謎のパーティーに参加する1人、玲奈を演じます

福島 大きなスクリーンでいろんな人に見てもらえると思って、最初はすごく楽しみだったんです。ただ、先日試写会で完成した作品を見せていただいたら、自分の演技を見て「ここはアレだな、ダメだな…」「本当にダメだな…!」っていろいろ考えてしまって。自分へのダメ出しがいっぱい(笑い)。

-既に撮影は終わっていますが、初めての映画の現場はいかがでしたか

福島 初めてですし、萩原聖人さんや、主演の(日向坂46の)小坂菜緒ちゃんとか、テレビにたくさん出ている方々と一緒なので、最初は緊張しました。でも皆さん優しくて、監督からも「気負わず、気楽に一緒にいい作品ができたら」と言っていただいたので、助かりました。

-オーディションを通過しての出演です

福島 オーディションの時は、「どうせ受からないだろう」ってマイナスの気持ちもありました。でも、マネジャーさんから急に「映画の撮影やるよ」って言われて、びっくりしました。しかも、結構しゃべるメインどころで。自分で役をつかんだのが初めてだったので、うれしかったですね。

-初の映画、初の劇団外舞台を経験した1年です

福島 私は演技スキルも、経験もほとんどないですけど、知識がない分、だからこそ体当たりでできるというか、純粋でいられる部分もあると思うんです。だから、今の自分の状態も強みだなと思って、「フラガール」の稽古に臨んでいます。

-華やかなルックスで、福島さんには「天使すぎる劇団員」という愛称もあります

福島 いやいやいや…。稽古場でも、「雪菜ちゃんって、黙っていればかわいいのに、しゃべると残念だよね」って言われるんですよ(笑い)。すっぴんで稽古して、雨が降ってるのにビーサンで傘もささずに帰って、つるんと滑ってこけたりするんですよ。私の名前で検索すると「天使すぎる」が出てくるので、「おとなしくてかわいい子が来るかと思ったんだけど、来たのは雪菜ちゃんだった」って。富田望生ちゃんからも「天使、天使」ってイジられるんです(笑い)。

-いい意味で、親しみやすさもある

福島 (総合演出の)河毛俊作さんに、「君はすごい演技好きだね」って言われて、「ずっと演技続けていきたいんです」と話したんです。そしたら、「君みたいなタイプは、かわいいヒロインを目指すというより、安藤サクラさんみたいなタイプを目指したほうがいい」って言ってくださって。うれしかったですね。「天使すぎる劇団員」だし、かわいくしなきゃ、みたいなプレッシャーもあったので。

-他にも意外な一面があったりするんですか

福島 うーん、たとえば、最近は競馬も好きだったりするんですよ。ハマってます。お部屋全体は天使な感じで、お掃除もするし、お料理もしたりするんですけど、本棚には競馬雑誌が並んでいます(笑い)。

-今後の目標は

福島 できるだけ長く、ずっと女優を続けていたいです。するのかも分からないですけど、結婚したりしても、おばあちゃんになっても。富司純子さんみたいな、格好いい女優になりたいって思っています。もちろん、人から求められないと続けられない仕事なので、1つ1つの作品で精いっぱい向き合って、精いっぱい表現して、「次も福島雪菜と仕事したい」って思ってもらって、どんどんキャリアを積んでいけたらいいなと思います。

-劇団も旗揚げから2年が経過しました

福島 アイドル目線で見ていただいたりもするので、ファンの方には男性が多いんですけど、とにかくいろんな世代の方に知っていただいて、男女問わず舞台を見に来ていただきたいです。「フラガール」にも若いファンの方々も来られると思うので、そこで私を見て、劇団にも興味を持っていただきたい。そんな演技が出来るように、精いっぱい表現します!