今年も大みそかに第70回NHK紅白歌合戦が行われる。68年続く生放送番組とあって、紅白の歴史は、ハプニングの歴史? でもある。かつて、放送中に起こった“放送トラブル”を振り返る。

◆交通事故で急きょ代役

52年の第2回、出場歌手の松島詩子がスタジオに向かう途中で事故にあったため、越路吹雪が急きょ出演に。当時は事前に出場者が発表されない形式だったため、越路が代役であることは、最初、気付かれなかったが、その後番組中に松島の経過報告が届いたことで事故が明るみになった。

◆森進一、「社会の窓」開いたまま熱唱

74年の第25回、初の大トリを務めた森進一だったが、熱唱中にズボンのファスナーが開いていた。これに気付いた森は、さりげなく閉めた。

◆長渕、ずっと歌う

90年の第41回、長渕剛が中継先のベルリンからひとりで3曲歌唱。15分以上歌い続けたうえに、現地入りしたNHKスタッフを「タコばかり」と非難した。

◆三波春夫(?)が「受信料払って」

82年の第33回、サザンオールスターズの桑田佳祐が紅白のベテランである三波春夫に扮して、曲中に「受信料は払いましょう!」「裏番組はビデオで!」と呼びかけた。

◆壇上でギター炎上

85年の第36回、トップバッターの吉川晃司がシャンパンをまき散らしたり、ギターにオイルをかけて燃やしたりとステージ上で大暴れ。床が濡れた影響で、その後、登場したシブがき隊布川敏和が2度転倒する事態となった。

◆「少年隊で『仮面ライダー』」

86年の第37回、白組司会の加山雄三が少年隊の曲のタイトル「仮面舞踏会」をうっかり「仮面ライダー」と紹介…。

◆モックンのコンドームネックレス

92年の第43回、本木雅弘が大量のコンドームをネックレスのように首からぶら下げて出演。なかには白い液体が詰まっている手の込みようだった。

◆米米、ステージ落下

96年の第47回、米米CLUBのボーカルのカールスモーキー石井が「浪漫飛行」を披露した際にステージから客席に転落した。

◆“全裸”ダンサーに弁解

06年の第57回、DJOZMAが女性バックダンサーの脱ぎパフォーマンスを敢行。実際は裸体に見えるボディスーツを着ていたのだが、抗議が殺到して、番組中に総合司会の三宅民夫アナが「裸ではない」と説明した。

◆大島優子がAKB卒業をサプライズ発表

13年の第64回、AKB48大島優子が、グループからの卒業を電撃的に発表。メンバーと一緒に「恋するフォーチュンクッキー」を歌い終えて、自らがセンターを務める「ヘビーローテーション」を歌う直前、突然切り出して、サプライズで卒業宣言した。場内は騒然とした空気に包まれた。

◆金爆が芥川賞又吉と相撲

15年の第66回、ゴールデンボンバーは4年連続で「女々しくて」を歌った。曲途中で樽美酒研二が赤いまわし姿に変身。土俵が登場し、審査員席のピース又吉直樹が土俵に上げられ、着物を脱がされると緑のまわし姿だった。相撲の勝負で勝った樽美酒が担ぎ上げられ、撞木(しゅもく)代わりに除夜の鐘を突くパフォーマンス。最後は又吉が芥川賞受賞作「火花」と書いた紙を掲げて締めくくった。

◆欅坂がパフォーマンス後に倒れ込む

17年の第68回、欅坂46メンバーがパフォーマンス後に倒れ込むハプニングがあった。総合司会の内村とのコラボレーションパフォーマンスの終盤、鈴本美愉が後ろに倒れそうになり渡辺梨加に支えられた。歌唱後、平手友梨奈もステージで崩れ落ち、志田愛佳も倒れ込んだ。3人はメンバーに抱えられながら退場して舞台裏に運ばれた。過呼吸のような状態になった。

◆ユーミンが桑田にチュー

18年の第69回、サザンオールスターズが最終歌唱者として登場した。桑田佳祐らは「勝手にシンドバッド」を披露。さらに、松任谷由実とも“夢の競演”を果たした。ユーミンは腰をくねらせて踊りながら、桑田に近寄った。桑田は「胸さわぎの腰つき~」と歌いながら、何度もユーミンの肩や腰を抱き寄せた。桑田が「ラララララユーミンさん」と歌いかけると、ユーミンも「ラララララ桑田君」と応じた。2人は密着しながら踊り続け、ユーミンが桑田のほおに口づけするシーンも。会場は最高の盛り上がりを見せた。