今年デビュー30周年を迎えたバイオリニスト葉加瀬太郎(52)が17日、都内で、今日18日からスタートする全国ツアー「葉加瀬太郎 コンサートツアー2020『FRONTIERS』」の公開リハーサルを行った。

今月2日にリリースしたアルバム「FRONTIERS」を引っ提げてのツアーとなる。今春予定していた全国ツアーは新型コロナウイルスの影響で中止に。葉加瀬は「みんなが閉塞(へいそく)感を抱えて生活しているわけですよね。だったら、元気づけるというか、『信じれば頑張れる!』と鼓舞するアルバムにしようと思った」と話す。

タイトルの「FRONTIERS」については、「僕ほどバイオリン弾きの中でいろんな音楽を取り入れて、音楽の旅をしてきた人はいないと思っています。日本語で言うと『開拓者』ということになりますが、30周年を迎えてあらためて意思表示みたいな感じですね」。毎年100本近くの公演を行い、18年にはソロバイオリニストとして史上初の日本武道館単独公演を成功させるなど、「開拓者」にふさわしい活躍ぶりだが、コロナ禍を経てのコンサート開催には「“演奏できる喜び”や“コンサート会場で演奏できることの大切さ”を感じています。久しぶりに楽屋に入った時に気持ちが引き締まりましたし、会場で一音出した時に、『これだったんだ!』って気持ちになりました」と喜びをかみしめる。

1年間ステージに立たないことは自身にとっても異例のこと。緊張を明かしつつ「今までで一番すばらしいショーができている気がしているので自信をもって初日を迎えられます」。感染拡大防止対策を取り、これまでとは違った鑑賞スタイルとなるが「それでも、劇場でのコンサートも人生の中で必要なものだということを確認していただけたらうれしいです」と話している。

東京はオリンパスホール八王子を皮切りに、Bunkamuraオーチャードホール、NHKホールで開催。12月26日の福岡・サンパレスまで全43公演を予定している。