歌手で女優のファーストサマーウイカ(30)が10、11日に新潟県長岡市で開催される「長岡米百俵フェス~花火と食と音楽と~」で、初めてソロアーティストとしてステージに立つ(11日はMCのみ)。バラエティー番組で見せる快活なトークが印象的だが、音楽への思いも強い。大型フェス出演を前に意気込みを語った。

観客の前で歌うのは昨年12月の音楽ユニットBILLIE IDLEの解散ライブ以来。歌番組出演や生誕イベントなどがあり、「あまり空いている感じはないです」といい「それよりファーストサマーウイカとして1人でステージに上がって歌を届けるっていうのは初めてです。今までやったことはないから、この30年の中で。そっちの方が大事なことかなぁって思いますね」。

同フェスには、さだまさし(68)miwa(30)小林幸子(66)wacci、Creepy Nutsらが出演する。「ちゃんとしたステージで、しかもプロのすごいそうそうたるメンバーの中で歌わせていただくっていうことは、それなりのプレッシャーはあります」と明かしつつ、「(観客には)なぜこの中に名前を連ねているのだろうという『?』があると思う。そこの期待には応えられるようにしたい」と意気込んだ。

幼少期から母親の影響を受けて80年代のJロックや洋楽を好んで聴いた。「音楽がなかったら生きていけないとは思わないけれど、音楽がなかったら死んでたなぁって思いますね。それは音楽に助けられたっていうこともあるし、何がやりたいと思った時に絶対ついてくるんですよね」。

中学で吹奏楽部、高校で軽音楽部に所属し、20代はアイドルグループでも活動。さまざまなジャンルの音楽に触れた。「一番自由度の高いエンターテインメント。主役にもなれば、バックグラウンドミュージックにもなる。(歌が)届いた先にゆだねられる。柔軟性があるから自分を裏切らないんだと思います」と音楽への思いを語った。

幼い頃から人前で表現することが好きだった。「みんなの前で1人だけ『どやー』みたいな感じで堂々とタンバリンをたたく2、3歳の頃の写真に残っていたりするんですよ」。記憶はないながら、堂々としている姿が残っていることから「きっと性に合っているんだと思います」と分析する。

吹奏楽部時代に地域イベントに出演して、ブラスバンドをバックに美空ひばりさんの「愛燦燦」を歌い上げたこともあった。吹奏楽部時代は打楽器、軽音楽部時代はドラムを担当したが「音楽の時間で歌のテストとかで、みんなの前で1人ずつ歌うの、ありましたよね。多分嫌だと思う人が多いと思うんです。でも私は『自分の番、来い』ってずっと思える人、歌いたい側の人だった」と振り返る。

同フェスは新型コロナウイルスの感染対策のため、チケット購入は新潟県在住者に限定されているが、オンライン配信も決まった。「エンタメを通して、何か感動でもいいし、怒りでもいい。何かしらの感情を持って欲しくて、こういう職業に就いている。私が歌う意味があって、ファミリー層とか、みんなが楽しめるようなものにできたらいいなと思っています」と柔らかい笑顔を見せた。【佐藤成】

◆ファーストサマーウイカ 本名非公表。1990年(平2)6月4日、大阪市生まれ。09年から劇団レトルト内閣で活動。13年5月アイドルグループBiS加入。15年からBILLIE IDLEで活動し、19年12月に解散。今年4月からニッポン放送「ファーストサマーウイカのオールナイトニッポン0」、10月から日本テレビ系「任意同行願えますか?」など出演。身長161センチ。血液型B。