米大統領選で当選確実となった民主党のバイデン前副大統領の愛犬チャンプとメジャーに全米の注目が集まっている。ホワイトハウスでは歴代の大統領が犬を飼っており、愛犬たちは「ファーストドッグ」と呼ばれて度々メディアにも登場してきた。しかし、潔癖症で犬嫌いとも言われるトランプ大統領は過去100年の歴代大統領の中で初めて犬を飼っておらず、4年ぶりにファーストドッグが復活することになった。しかも、バイデン氏が飼っている2匹のシェパードのうちの1匹メジャーは2018年にバイデン氏がデラウェア州の動物保護施設から引き取った元保護犬で、保護施設出身の犬として初のファーストドッグになるという。選挙戦中も愛犬たちに癒やされていたというバイデン氏は、「再び犬をホワイトハウスに戻そう」と呼びかけるツイートをしたこともある。

米メディアによると、バイデン氏は2008年にオバマ元大統領の相棒として選挙戦を行っていた際に「オバマ氏が当選したら犬をプレゼントする」とジル夫人と約束し、当選後に現在12歳になるチャンプを家族として迎え入れたという。ちなみにオバマ大統領も当選後にポーチュギーズ・ウォーター・ドッグのボーを2人の娘たちにプレゼントしている。トランプ大統領も犬を飼うチャンスはあったが、知人女性がホワイトハウスに連れて行くのにぴったりな犬を紹介したものの、「犬のために使う時間はない」と断ったと伝えられている。

1897年に就任した第25代ウィリアム・マッキンリー元大統領は、犬を飼っていなかったものの鳥や猫を飼っており、その後の大統領はトランプ大統領を除いて全員が犬を飼っている。一方、捨て犬としては第36代リンドン・ジョンソン元大統領が、1966年にテキサス州のガソリンスタンドで娘が拾ってきた犬に「ユキ」と名付けてホワイトハウスで飼っていたことがあり、捨て犬としてはチャンプが最初のファーストドッグではないという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)